3分で読める リーダー適性がない幹部自衛官とは?
おはようございます。
元・国防男子の「大吉」です。
今日は、ロッテリアでのある出来事をきっかけに、ある残念な幹部自衛官を思い出してしまいました。
幹部が、部隊でこれをやってしまったらアウト!
普通に考えたらアウトとわかる事なんですが、できない人もいるんです。
タピオカクレーマー現る!
(ロッテリアHPより引用)
ロッテリアでアイスコーヒーを注文している最中にその出来事は起こりました!
僕 : 「アイスコーヒーを1つください。」
店員: 「250円になります。」
と僕が注文をしている時に、
65歳過ぎくらいの小太りの白髪交じりおばさんが、店内に2つあるレジのうち、僕の隣のレジに向かって歩いてくる。不機嫌そうな顔で・・・
病気がちなのか、顔が腫れぼったく赤らんでいて、杖を突きながら歩いている。
手には、「タピオカジュース」の飲みかけのカップを持っていて、ジュースは飲み干され、そのカップにはタピオカがほんの少しだけ残っているだけだった。
レジの前に到着すると、タピオカのカップをカウンターにドンッと叩きつけ、急に大きな声を出して怒り始めた。
おばさん:「ねえー、このタピオカちょっとおかしいよ!」
「何か、硬いというか、タピオカに芯みたいなのが入っているみたいなの!どうなってるの?」
対応した店員は、若い20代前半くらいの女性。
いきなり訳のわからないクレームを吹っ掛けられて慌てふためいている。
そして、対応に困った店員は、厨房の先輩に助けを求める。
店 員:「お客様、厨房で確認してきますので、少々お待ち下さい。」
おばさんは、厨房の方に向かって更に追い打ちをかける。
おばさん:「このタピオカおかしいよ!」
「私はいつも飲んでるんだけど、いつものタピオカじゃないわ。」
「返金してくれる?」
(タピオカを水に戻した時に、しっかり戻ってなかった可能性もある?が、9割がた飲み干しといて、それの言い分はないでしょ!)
(もし、異常を感じたなら、普通、その時点で言うでしょ。みっともないから、そんな言いがかりやめればいいのに・・・)
もう少し、成り行きを見たかったのだが、このまま野次馬になるのもみっともないなと思って、その場を離れた。
そんなおばさんのクレームを見て、過去のとんでもない出来事を思い出した!
某1等陸尉の大暴走
陸上自衛隊で勤めて13年間。
15万人もいる組織なので、当然、常識外れた要求をする人や自分の言い分だけを通そうと人とも仕事をすることがあった。
某部隊で、僕が「副中隊長」として勤務をしていたときのこと。
その部隊は、陸上自衛隊の中でも、特に訓練が厳しく、かなり多忙な部隊。
僕が、上司の中隊長に訓練計画の指導を受け、そろそろ指導が終わろうとしていたときのこと。
突然、隣の部隊の中隊長が困った顔をして、うちの中隊長室に入ってきて、徐に愚痴を溢し始めた。
「ちょっと、聞いてくださいよ!うちの中隊の小隊長のH1尉が、これから平日は毎日17時に帰らしてくださいって僕のところに来たんですよ。」
中隊長同士仲が良く、いつも中隊長同士で訓練や中隊の状況などについて話されていた。
そして、その1等陸尉の彼は防大卒で、僕と期別が同期の幹部自衛官。
その話を聞いて、僕は耳を疑った。
うちの中隊長も、信じられないという顔で返答した。
「えっ!?、H1尉がそんなことを言ったんですか?」
隣の中隊は、幹部が中隊長とH1尉と初級幹部の3名しかいなかった。
事もあろうに、部隊の中核たる1等陸尉が毎日17時に帰らせてくださいとは・・・
かなり、多忙な部隊だったため、毎日17時に帰るのは常識的に考えても難しい。
そして、もしその幹部が毎日17時に帰ってしまった場合、彼が抜けた分の業務は、残りの幹部である中隊長や初級幹部に負担がかかってくるのだ。
- 上司や後輩に業務を投げて、良心は傷まないのか?
- 上級幹部としてのプライドは無いのか?
- 部隊や周り幹部のことを考えての発言なのか?
当時は、どういう理由でそのような要求をしたのかはわからなかったのだが、同じ部隊で勤務する1等陸尉の同期の発言に対して、ショックを受けたことを覚えている。
某1等陸尉の末路
そのような自分の要求を中隊長に直談判するくらいなので、部隊でも浮いた存在になってしまっていたようだ。
そして、この幹部は「不適」と判断されてしまい、たった1年で他の部隊に異動(事実上の左遷)することになってしまった。
その異動が彼にとって不本意だったのか、駐屯地の幹部の送別会の時に、みんなの前で不満をタラタラ述べて立ち去ってしまった。
(ふつう、将軍とか1佐が沢山いる前では、不満なんか言えないよね・・・)
後で耳にしたことだが、その幹部はエリート意識が人一倍高く、指揮幕僚課程(CGS)に入校したかったらしいが、部隊での業務が忙しくて自分の勉強が思うようにできなかったことが不満だったらしい。
そんな不満を口に出しながら嫌々ながら仕事をしていたので、部下からの信頼は得られず、やることなすことに賛同してもらえず、部隊の中核としての役割を果たすことができなくなってしまったのだ。
中隊長としても、そのような悪影響を及ぼす幹部を部隊に置いておくことはできない。
「異動」という判断をしたのは当然だろう。
確かに、幹部上級課程(AOC)を卒業した「1等陸尉」となると司令部や部隊の重要な戦力になる。
そのため、必然的に業務量が多くなり、中々家に帰れないし、自分の勉強時間も確保できなくなるのだ。
しかし、指揮幕僚課程(CGS)の試験を受ける人は、ほとんど同じような条件。
仕事が終わった後や早朝に何とか時間を確保して勉強をしているのだ。
そして、そういう努力をしている人でなければ、試験には受からない仕組みになっている。
予想通り、その幹部は指揮幕僚課程の試験を4回とも失敗して、彼の夢は絶たれてしまった。
更に悪いことに、一度上司にそのような悪い評価を与えられたら、その評価は定年まで残ってしまう。
そして、その挽回はかなり厳しくなり、今後の昇任、昇給、職務等、色々な所で悪影響が出てくるだろう。
リーダーの適性がない幹部自衛官とは?
- 不満をすぐに口や顔に出してしまう人
- 自分の利益を優先させてしまう人
こういうリーダーとしての自覚がない人は、「信頼されるリーダー」にはなれない。
残念ながら、部下はリーダーとなる幹部を選べない。
とんでもない幹部がリーダーとなったら、通常2〜3年間、その幹部が異動するまで耐え忍ばなければならないのだ。
当然、部下との関係も悪くなり、部隊の雰囲気も悪くなる。
そして、そういう時に、訓練事故や服務事故は起こりやすくなる。
正に、「負のスパイラル」が発生してしまい、部隊に悪影響を及ぼし続けてしまうことになるのだ。
僕は、 問題はすべて自分にある
という視点を持つことは、とても大切だと思う。
この視点を持っている人ほど、部下からの信頼を集めることができ、人間としても、リーダーとしても成長できる。
だって、周りの環境とか他人を変えようと思っても、中々変えることはできませんよね?
そして、一番変わることのできる可能性があるのは、周りの環境や他人ではなく、自分自身。
自分を客観的に見れない人や自分を顧みない人は、H1尉のように周りの環境とか他人に対して不満を言い続けるんですね。
でも、結果的に何も変わらない・・・
そして、最終的に一番損をするのは自分なんです。
何か問題が起きたら、
まずは、「問題は自分にある。」と考えてみてください。
きっと、良い解決方法が見つかると思いますよ。
最後まで読んでくれてありがとうございます。
今日も皆様にとって良い一日となりますように。
元・国防男子 「大吉」