第1空挺団 空挺隊員達の熱い夏がやってきた! 〜習志野駐屯地夏祭りは空挺隊員達の出会いの場?〜
(陸上自衛隊公式HPより引用)
こんばんは。
元・国防男子の大吉です。
今日、第1空挺団(千葉県習志野市)で勤務をしていた時の同僚から、
「平成30年 習志野駐屯地 夏祭り」
の案内が来ました。
なので、
今日は習志野駐屯地の夏祭りの案内と空挺隊員の訓練など
に関する記事を書きます。
この記事は、
にオススメの記事です。
平成30年 習志野駐屯地夏祭りの概要
(陸上自衛隊第1空挺団公式HPより引用)
習志野駐屯地夏祭りの概要
(陸上自衛隊第1空挺団公式HPより)
1 日 時
平成30年8月4日(土)及び5日(日)1300〜2100(2000)
※ 2日間も夏祭りで駐屯地を開放する駐屯地はない!
2 イベント内容
・ 空挺館一般開放
・ 盆踊り
・ 模擬売店
・ お化け屋敷
・ 体験試乗
・ パラシュート装着体験
・ 隊員相撲
・ 太鼓演奏
・ 花火(土曜日の2010〜)600発
見どころは、
空挺隊員による相撲と隊員によるダンス。
いや、隊員たちの日頃の筋トレや厳しい訓練で鍛え上げられた筋肉!
それから、パラシュートの装着は普段できない体験なので、
もし参加できる機会があれば、習志野駐屯地へ行ってみてほしい。
空挺隊員も楽しみにしている出会いの場??
毎年、このイベントには空挺隊員との出会いを求める女子たちが
わんさか集まる。
独身の空挺隊員にとっても、普段なかなか出会いが無いため、
楽しみにしているイベント。
空挺団って女性隊員がいないんです!
売店は各部隊毎に出店するのだが、部隊の隊員やその家族などが休める
スペースや飲み物なども部隊ごと用意されている。
僕の部隊の隊員も駐屯地内で女の子と出会って、その休憩スペースで
お話をして仲良くなってゴールインっていう隊員もいた。
夏祭りは、駐屯地の3大イベントのひとつ
ちなみに、習志野駐屯地の3大イベントは、
- 降下訓練始め(1月上旬)
(陸上自衛隊公式HPより引用)
- 駐屯地創立記念行事(4月上旬)
(陸上自衛隊公式HPより引用)
- 駐屯地夏祭り(8月第1週目の土日)
習志野駐屯地で、基本的に1年で駐屯地を一般公開しているのは、
駐屯地創立記念行事と夏祭りのみ。
昨年の夏祭りは、2日間で約8万人の入場者が入ったようですね。
3大イベントの中でも、
一番空挺隊員と触れ合えるのがこの夏祭り!
習志野駐屯地所在の主要部隊は?
ご存知の通り、習志野駐屯地は、陸上自衛隊で唯一のパラシュート部隊である
地対空ミサイル部隊である第1高射群も所在する駐屯地。
そして、陸上自衛隊の中でも、体力的、精神的にもトップクラスのエリートたちが集まる駐屯地。
是非、その強く、優しく、かっこいい男たちを見に行ってやってください!
幹部候補生学校から空挺隊員になるには?
陸上自衛隊幹部候補生学校に入校して、幹部自衛官として勤務する場合、
あなたが、どうすれば空挺隊員になれるかについて説明しようと思う。
幹部候補生学校で入校後間もなく、「空挺適性検査」というものを
男性隊員全員が受検する。
米国やその他の国では、女性の空挺隊員もいるのだが、陸上自衛隊には
今のところ女性の空挺隊員はいない。
空挺適性検査の内容は、
手足を縛られて、上下左右にぐるぐる回されながら眼の前に示された
数字を判読できるかどうかや、
高所恐怖症か否か等について検査される。
ここで適性を認められた者は、空挺隊員になるための切符を得ることが
できるのだ。
幹部候補生学校から卒業後、直接に第1空挺団に配属されるのは、
普通科と特科の隊員のみ。
空挺団の偵察・降下誘導小隊、施設中隊、通信中隊、
後方支援隊のいずれかの部隊に配属されるためには、
幹部候補生学校卒業後に配属された部隊から、上司の許可を得て、
「基本降下課程」に参加をしなければならない。
空挺隊員への入り口「基本降下課程」
空挺隊員になるためには、「基本降下課程」と呼ばれる約5週間の
空挺教育隊による教育を習志野駐屯地で受け、修了しなければならない。
教育修了の要件は、固定翼及び回転翼の航空機からパラシュートで
5回の降下。
教育期間は約5週間だが、天候によって航空機が飛行できない場合は、
教育期間は延長される。
恐怖の体力向上運動(体力調整)
実際に航空機から降下をする前には、降下のための様々な訓練や体力トレーングをする。
基本降下課程できつかったのは、上半身裸で合計8回実施する「体力消耗向上運動」と呼ばれるトレーニング。
これが、結構きつい・・・
正確な動作でできていなければ、教官達に指摘をされ、指摘数✕10回
の「反省」をする。
先任教官が、「反省は、腕立て伏せ」と言えば、
腕立て伏せを指摘数✕10回分実施しなければならない。
これを続けて行けば、どういうことになるか
わかりますよね??
時間が経つに連れて、体力が奪われていき、
正確な動作ができなくなっていくので、悪循環となる。
体力が向上するどころか、どんどん消耗されていく・・・
( ゚∀゚)・∵. グハッ!!
体力調整の一番最後には、駐屯地内で掛け声を出しながらの駆け足。
「くぅ〜てい。 らっかーさん!」
「くぅ〜てい。 らっかーさん!」
途中、教官が全速力で走り出すので、
後れずについていかなければならない。
しかし、「反省」で死ぬほどスクワットをやらされて、
既に足がガクガク状態だから、
結構きついんだよね・・・
空自のMEDIC(メディック:救難)も参加
(防衛省公式HPより引用)
空挺団が実施する基本降下課程には、航空自衛隊のMEDICの隊員
も参加する。
MEDICとは、航空自衛隊の航空救難活動等の過酷な環境において
救助活動を行う、航空自衛隊のエリート集団。
航空自衛隊でも、体力的、精神的にトップレベルで優れた人しかなれない
狭き門だ。
彼らは、基本降下課程のほか、空挺レンジャー課程にも参加する。
僕が基本降下課程に参加していた時には、5名のMEDICの隊員が参加していた。
人命救助が目的の部隊なので、変態的な体力、強い使命感、
豊かな人間性を兼ね揃えた素晴らしい隊員達だった。
基本降下課程の降下に関する訓練
その「基本降下課程」では、
- 航空機内での動作
- 降下後の開傘(かいさん)の確認動作
- 着地時の「5点着地」と呼ばれる着地時の衝撃を殺しながら安全に着地するための着地要領
- 13mの飛び出し塔からの飛び出し動作
← 中谷・元防衛大臣も飛んだコレ
- 80mの降下塔からの降下訓練 等
←習志野駐屯地のシンボルでもあるこの塔
を何十回、何百回と徹底的に訓練する。
初めて航空機から降下する際は、緊張して誰しも頭が真っ白になってしまう。
普通に考えたら、飛行している航空機から飛び降りるなんて自殺行為。
そういう頭が真っ白になった状態でも、事故なく、正確な動作
ができるように、
本番の降下前に徹底的に訓練をして、完璧に体に覚えさせるのだ。
飛行中の航空機から(連続で)降下をするため、ちょっとしたミスが
航空機の墜落等の大事故に繋がり、最悪死者が出る。
過去には、空挺降下訓練の際に事故が起きて、隊員が死亡している。
空挺団の初降下行事を見ると簡単に降下をしているように見えるが、
それはこれまでの徹底的に行ってきた訓練の賜物なのだ。
体力検定1級でも落ちる?空挺式体力検定
空挺降下をする前までに、空挺式体力検定に合格しなければ、
降下をさせてもらえず、原隊復帰となってしまう。
空挺式体力検定の内容は、
- 腹 筋
- 腕立て伏せ
- 懸 垂
- かがみ跳躍
- 60m✕5(300m)の折返し
この種目で、一番引っかかるのが「懸垂」
合格回数は11回?だったかな?
空挺降下においては、懸垂はとても重要。
なぜなら、落下傘を操縦する際には、操縦するための紐を引っ張らなければ操縦できないため。
僕が入校していた時も、懸垂で不合格になり原隊復帰をした隊員がいた。
懸垂をするときには、顎を真っ直ぐにして顎が鉄棒の上から出るまで上げなければカウントされない。
陸上自衛隊の新体力検定では、「懸垂」科目が無くなったので、空挺団に所属したい場合は、懸垂をしっかり練習しなければ厳しいだろう。
固定翼及び回転翼航空機からの降下
(陸上自衛隊公式HPより引用)
最終的に、固定翼及び回転翼の航空機からパラシュートで5回降下
すれば教育は修了し、念願の空挺バッジが貰えて、
晴れて空挺隊員になれるのだ。
ちなみに、空挺バッジは ↓
僕も、初めて固定翼(C-1)から降下するときは、不安だけしかなかった。
地上では十分に訓練はしたけど・・・本当にこんなんで大丈夫なのか???
いよいよ航空機に搭乗。
(産経デジタルニュースより引用)
そして、航空機が離陸し機内では座って降下長の降下準備の合図
を待つ。
ロードマスターから降下地域の気象や降下準備の合図をもらった降下長は、
降下員を指揮して降下準備をさせる。
(産経デジタルニュースより引用)
頭の中は真っ白なまま。
- 飛行している航空機から跳び出すなんて・・・
- 機体にぶつかってしまったら、どうなるんだろうか・・・
- パラシュートは無事に開くだろうか?
- 開かなかったら、予備傘をすぐに開かないとな・・・
ネガティブなことだけしか頭に浮かばないので、
エンジン音でうるさい機内で、
できるだけ大声を出すようにして装備品を点検し、
気合を入れる。
飛び出し間隔は、1秒毎。
遅れても早くても駄目。
そして、効果ランプが赤から青に変わった。
前の隊員達がどんどん1秒毎に飛び出していく。
そして、自分の番がきた、
「1,2,3」(跳び出し)
「はつこーかー、にーこーかー、さんこーかー、よんこーかー、てんけん!」
(開傘)
「異常なし!みぎよーし!ひだりよーし!」
あー、生きてる!よかったー!傘もちゃんと開いてくれたー!
とまあ、初めての降下はこんな感じでした。
一番大切なことは、
地上での訓練を徹底的にやって、体が勝手に動くくらいの
状態にまで訓練をしておくこと。
そこまでやってれば、問題なく降下できる。
教官・助教は神様と思え!!
(陸上自衛隊公式HPより引用)
基本降下課程では、教官や助教は神様。
事故なく、安全に降下するためには教官や助教たちの熱心な教育は必須。
ちょっとしたミスが「死」につながってしまうから。
だから、教育中は自衛隊の「階級」は関係ないんです。
通常の陸上自衛隊の教育は、陸曹が幹部に対して教育することは殆ど無い。
ましてや、幹部をボコボコにすることなどありえない。
しかし、空挺教育隊の所属する助教達は、優秀で血気盛んな
3等陸曹が多い。
教育中は、幹部であろうが3等陸曹にボコボコにされる。
1等陸佐が3当陸曹に頭を小突かれたという話も・・・
そこまでしなければ、教育が徹底できなかったせいで、
その人を死なせてしまう恐れがある。
そして、その事故の巻き添えを食らう人もいるかもしれない。
大変危険なことをやっているので、3等陸曹であっても
心を鬼にして教育するのである。
それが、彼らに与えられた役割だから、徹底的に実行する。
でも助教の3曹達は、教育の最後にはちゃんと幹部に謝る
んですよね。
僕は、第1空挺団のこういうところが大好きなんです。
第1空挺団ってとても魅力的な部隊だと思いませんか?
もし、8月4、5日に時間が空いていれば、
是非習志野駐屯地へ足を運んでみてください!
それから、もし良かったら関連記事も読んでみてください!
空挺隊員達がどのような訓練をしているのか
がわかりますよ。
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最後まで読んでくれてありがとうございます。
今日も皆様にとって良い一日となりますように!
元・国防男子 大吉