「プロ意識」とは 〜エアコン清掃業者と空挺隊員の心得から学ぶ〜
(陸上自衛隊公式HPより引用)
こんばんは。
元・国防男子の大吉です。
今年は、予想以上に梅雨が早く終わってしまい、急いでエアコンの清掃業者を探して電話をしましたが、7月17日までどこの業者もいっぱい・・・
昨日、やっとエアコンの清掃をしてもらえることになりました。
今日は、昨日来てくれた業者の仕事ぶりがとても良かったので、その業者さんから感じたプロ意識について記事を書きました。
プロ意識を感じたエアコン清掃業者
エアコン清掃前の状態を客に見せ、状態を説明
今回エアコン清掃をお願いした業者さんは、夫婦で経営しているようだ。
ガテン系のおじさんとたくましい奥様の2人がワゴン車でやってきた。
まずは、清掃に必要な資器材を車両から下ろして、部屋まで運ぶ。
床や壁を汚さないようにしっかり養生をして、清掃できる態勢に。
清掃に取り掛かる前に、すべてのエアコンカバーを外して、懐中電灯を使用して清掃を依頼した2台のエアコンの中の汚れの状態を確認する。
2台のエアコンのうち、リビングにあるエアコンを見て、
「うわ〜、このエアコンすごい!以前はいつ清掃しました?」
「去年の7月に、別の業者さんに来てもらって清掃しました。」
「えっ、ホントですか?1年間じゃあこれほど汚れませんよ。もしかして、エアコンを一年中つけていましたか?」
「いいえ、夏場と冬場だけです。」
「じゃあ、以前の業者さんはキレイに清掃できていなかったんでしょうね。」
「ちょっと、見てください。黒いのがいっぱいこびりついてるでしょ?これは、ホコリとカビの塊です。1年でここまで汚れることはありません。これは、3年間くらい清掃をしていない汚れですよ。」
実際に見せてもらったが、確かにかなり汚い。
冬もエアコンの暖房を使用していたので、こんな汚いエアコンから出てくる空気を吸っていたことに、ゾッとした。
このとき、あることに気づいた。
そういえば、前の業者は、エアコンのカバーを外さずに清掃をしていたな・・・
清掃時間も30分もかかっていなかったし・・・
エアコンのカバーにも黒いカビやホコリが大量についていた。
その清掃は、奥様の仕事。
風呂場できれいにエアコンカバーも清掃をしてくれた。
使用するすべての薬品の説明
その業者さんの良かったところは、使用するすべての薬品を一つ一つ説明してくれたこと。
正直なところ、
「きれいになれば、別に薬品の説明なんかしなくてもいいよ。」と思っていたが、
熱意とプロ意識の高さを感じたので、最後まで聞かせてもらった。
「この薬品はエアコン内部の洗浄液で、こっちはただの水です。ほとんどの業者さんはこれだけしか使いません。」
「でも、うちは次亜塩素酸を使って、目に見えない菌や匂いまで除去します。」
「ところで、次亜塩素酸ってご存知ですか?プールの除菌とかに使われているあれです。」
「これってどういうことがわかりますか?」
「エアコンが新品の状態になるってことです!」
業者さんの熱弁が止まらない・・・
仕事に対する情熱が溢れている・・・
この説明を聞いただけでも、「熱意のある業者で、プロ意識が高い」ということを感じた。
客にとってはどうでもいい説明かもしれないが、そういうトークをすることによって、客は安心する。
僕もこの説明を聞いただけで、最後までしっかりと清掃をしてくれる業者だと確信した。
時間をかけて隅々まで徹底的に除去
その薬品の説明の後、早速エアコン内部の洗浄に入った。
高圧洗浄機を使用して、エアコンの中を洗浄する。
後ろから様子を見ていたが、汚れがこびり付いていてなかなか除去できていないようだ。
エアコンの中から、真っ黒に汚れた、如何にも体に悪そうな汚水と真っ黒い塊が養生のビニールを伝って、バケツに流れ込んでいく。
黒い塊が中々剥がれず、何度も何度も高圧洗浄機で洗浄する。
かなりの時間が経過した。
恐らく、洗浄だけで1時間近くはやっていただろう。
以前来た業者は、30分弱ですべての作業を終了。
以前来た業者とは力の入れ方が全然違う。
「これは相当きれいになっているに違いない。」と期待した。
出来上がりの状態を自信を持って見せる。
最後に、次亜塩素酸の液をエアコン内部に吹きかけて、清掃は終了。
業者さんは、自信満々の笑みを浮かべて、
「終わりました。見てください!」
おおー、すごく綺麗!感動した!!
業者さんの丁寧な仕事ぶりを讃えた。
内部の乾燥のために、エアコンのスイッチを入れて約1時間待機する。
エアコンから流れ出る空気の匂いも全然違う。
清潔感あふれるアルコールの匂い。
奥様がきれいに掃除してくれたエアコンカバーを装着して終了。
見た目も、送風の匂いもおっしゃった通り新品!
大満足のサービス!!
ありがとうございます!喜んでお金を払います!
プロ意識が感じられなかったエアコン清掃業者
エアコンカバーを外さないし、清掃もしない。
エアコンのカバーって取り外しにくいらしいんです。
カバーを外す時に、カバーの爪を折ってしまう可能性が高いので。
特に、シャープと日立の製品は。
だから、清掃業者はエアコンカバーを外したがらないらしい。
今回お願いした業者さんは、すべてのエアコンカバーを外して清掃してくれた。
予め「カバーの爪が折れてしまうかもしれませんが、カバーを外しても大丈夫ですか?キレイになりますので。」と尋ねて。
でも、前回来てくれた業者は、そのような質問もすることなく、カバーを外さずに外観だけさっと拭いて清掃終了。
そりゃあ、3年間清掃していないくらいのカビとホコリも溜まるでしょう。
エアコンの中身の洗浄時間は、15分程度
今回の業者さんは、汚れを徹底的に除去してくれたが、前回の業者さんの洗浄時間は15分程度。
しかも、高圧洗浄機さえも使用していなかった。
持ってきた装備品は、手動で消毒を撒くときに使うような心許ないもの。
戦車砲と小銃くらい威力が違うよ! ^^;
これじゃあ、洗浄力に差が出るのは当たり前ですね。
ビフォア・アフターを見せない。
前回の業者さんは、部屋に入ってくるやいなや、清掃の準備をしてそのまま清掃にとりかかり、20分程度の清掃後、
「はい、これで終了になります。」
「代金は、1万円になります。」
まあ、素人からしたら、
業者に頼んだんだし、キレイになってるんだろうなと思い込んでいたので、清掃後の確認もしなかった。
が、恐らく、きれいに清掃はできていなかったはず。
情熱やプロ意識は言動にあらわれる
僕は、この2つの業者を比較して、
仕事に対する情熱やプロ意識は言動に表れると感じた。
昨日来てくれた業者は、エアコン清掃に関して、しっかりとした説明をしてくれ、エアコンカバーを外して徹底的に清掃をしてくれた。
かなりの自信と情熱を持っていたように感じた。
逆に、
以前来てくれた業者は、エアコンのカバーを外すことなく清掃し、情熱やプロ意識が感じられず、仕事に対して適当さを感じてしまった。(一生懸命清掃をしてくれたのかもしれないが。)
エアコン清掃に同じくらいの金額を払っているにも関わらず、清掃の出来栄えにも大きな違い。
次回エアコン清掃を依頼するときには、間違いなく今回来てもらった業者に依頼するだろう。
このような競合の多い清掃サービスにおいては、プロ意識や情熱を持っていない業者は淘汰されていくんだろうなと思った。
自衛官としてのプロ意識
(陸上自衛隊公式HPより引用)
当然、自衛官としてプロ意識や情熱を持つことは重要だ。
僕が、習志野駐屯地の第1空挺団に所属していたときから、プロの自衛官としてずっと心掛けていること。
それは、空挺隊員の心得の1つである「徹底的実行」
徹底的実行
空挺隊員は、事を行うに当たっては、徹底的に実行しなければならない。
また、予め周到な思慮をめぐらすことに努めなければならない。
僕が思うプロとは、
高い識能(知識と技能)を持ちつつ、当たり前のことを全力でできる人。
例えば、自衛官として最低限の毎日やるべきこと。
- 迷彩服等のアイロンがけ
- 靴磨き
- 髭剃り
- 体力錬成 等
そして、この当たり前にやるべきことを徹底的に実行する。
毎日、妥協することなく徹底的にやる。
なぜなら、プロの自衛官だから。
自衛官は隙きを見せたら負け。
ちょっとの気の緩みが実戦では死に繋がる。
だから、毎日やるべきことをしっかりやって、幹部自衛官として隊員の前に立つ。
1日1日が真剣勝負。
これは、幹部自衛官でなくても同じこと。
自衛官も当たり前のことを全力で愚直にできてこそ、プロとしての「信頼」が得られると思う。
最後まで読んでくれてありがとうございました。
今日も皆様にとって良い一日となりますように。
元・国防男子 大吉