元・陸上幹部自衛官の13年間の奮闘記

ダメダメ大学生だった元陸上自衛官の13年間の自衛隊での経験や教訓を共有するブログ

【ワンランク上の陸自幹部を目指すあなたへ】陸自最高学府、指揮幕僚課程(CGS)や技術高級課程(TAC)にらくらく合格するための極秘プログラム等の紹介

ご無沙汰しております。

最近は、このブログは全然更新できていないのですが、最近『note』で記事を更新しています。

 

これから陸上自衛隊の中枢で活躍をしたいと思っている、ワンランク上の幹部自衛官を目指している方を対象にとても有用な記事を書いておりますので紹介したいと思います。

今、ヤバいくらいに沸騰中の記事を紹介したいと思います!

 

僕自身も驚くほど多くの方に反応をいただいております!

 

興味があればご活用いただき、あなたの陸上自衛隊人生が豊かになれば幸いです。

 

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【おしらせ】一部の記事のリライト及び別サイトへの移行について

ご無沙汰しております。

もうすでにお気づきの方もいると思いますが、一部の記事をリライトして別のサイトで公開しております。

↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓

https://note.com/marine1515jp

 

もし、よろしければこちらのサイトにも訪問してみてください。

 

引き続き、応援よろしくお願い致します。

 

元国防男子

旦那の仕事が理解できない!! ある陸上自衛隊幹部自衛官の奥様の悲痛の叫び

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ご無沙汰しております。

 

元国防男子の大吉です。

 

ブログの更新が中々できなくてすいません!

 

最近全然更新していないにも関わらず、毎日非常に多くの方にこのブログに訪れて頂いてます。多くの方に読んでいただいていることに、非常に感激しております。

いつも見てくださっている方、本当にありがとうございます!

 

今回は、司令部勤務で非常に多忙な生活を送っている、ある陸上自衛隊幹部自衛官の奥様より苦悩のご相談を受けましたので、それに関連する記事を書きたいと思います。

 

 

 こんな結婚生活は想像してなかった・・・

「うちの旦那は幹部自衛官。司令部勤務で多忙のため、なかなか家に帰ってこない。」


「『働き方改革』と言われているのに、以前と全然働き方が変わらない。」


「文書の書き方、陸上自衛隊のいわゆる「文書要務」が厳格すぎて、それに時間を取られてしまって、非効率なんじゃないの?」


「いつも家庭で喧嘩ばかりで辛すぎる!」

 

などなど、旦那様の仕事に対する不満、不信感や、旦那様がうつ病になりかけているという悩みを持たれている奥様でした。

奥様だけでなく、自衛官の旦那様も仕事と家庭のことで大変で悩んでいるんじゃないかなと想像します。

 

恐らく、同じような悩みを抱えている自衛官の奥様や自衛官は、多数いらっしゃるのではないでしょうか。

 

陸上自衛隊、幹部自衛官、妻、悩み』と、Yahoo! 知恵袋なんかで検索すると、同じような悩みがたくさん出てきそうですね。

 

自衛隊の世界は、民間の方からすれば、何をやっているのかよく分からない、なかなか理解できない独特の世界だと思います。

多分、自衛官本人はもっと悩んでる

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一般女性と結婚した自衛官の中には、奥様に仕事の事についてなかなか理解してもらえず、悶々としている人は、多いのではないでしょうか。

もちろん、一般女性全てが自衛官の仕事について理解されてない訳ではないと思いますが・・・

 

僕の場合、

今の妻と付き合っているときは、「へぇ〜そんな事やってるんだ。凄いね!」から、結婚した途端、「えっ!?何で?おかしくない?」に変わりましたから(^ ^)

 

なかなか仕事のことについて、理解して貰えないんですね。

 

  • 何で、そんなに朝早く仕事に行ってるのに夜遅く帰ってくるの?
  • 一体、一日に何時間働いてるの?
  • 勤務時間決まってないの?
  • 演習で1ヵ月間も家を空ける?
  • 演習で1ヵ月も山の中で生活をするの?
  • 1ヵ月もの間、山の中で何をしてるの?
  • ご飯はどうしてるの?
  • ほんとにずっと1ヵ月物間山の中で過ごしてるの?
  • 本当はどこかで遊んでんじゃないの? 

疑問だらけ!

 

一般の方からすれば、旦那が演習のために1ヶ月も家を空けるということに対して、疑問に思いますよね・・・

 

実は、仕事と家庭の両立に行き詰まった現役の自衛官の方からも、この手の相談をよく受けるんです。

「ブログ見ました。あのブログを書いているのって、◯◯3佐ですよね?実は、僕も今自衛官を続けようか悩んでまして、相談に乗って欲しいんですけど・・・」

このブログを認知してもらって、多くの現役自衛官から相談の依頼を受けるようになりました。そして、多くの現役自衛官ワークライフバランスについて悩んでいることに、やはり以前とあまり変わっていないことを認識しました。

家族を持つ隊員達からのアドバイス

僕は自衛隊に入隊して部隊配属になった時に、部隊の先輩隊員に『彼女・妻への教育』について、アドバイスを貰ったことがありました。

 

「もし、これから彼女と付き合うことになったら、あるいは結婚することになったら、まずは、彼女・ヨメを教育したほうがいいっすよ。」

自衛隊の世界は、民間の人からするとなかなか理解できない。自衛官が、仕事で何をやっているのか理解できない。だから、家庭ではしょっちゅう喧嘩になる。」

「まず、妻への教育をしっかりすることだ。特にこれから多忙になる幹部自衛官は。」と。

 一人だけでなく、色々な隊員から言われました。

恐らく、多くの隊員が家庭での夫婦関係で同じような悩みを抱えて、苦悩を経験していたものと想像します。

 

『妻への教育』

 

確かに必要だと思いますが、ちょっと違うかなと思うところもあります。

 

「妻への教育」と言うよりは、夫婦間の毎日のコミニケーションが非常に重要になってくるのではないかなと思います。

 

『大切なコミュニケーションを怠ったこと。』

 

結婚をした後、僕ができていなかったこと。

反省すべきことです。

僕の妻も同じ悩みをずーっと抱き続けていた

僕の妻も結婚以来、前述の奥様のように、幹部自衛官の旦那の仕事や職場環境に対して、不安や悩みをずーっと抱き続けていました。

 

「何でいつもそんなに朝早くに出勤して、帰りも遅いの?おかしくない?」

「仕事帰りにいつもどっかで遊んできてるでしょ?こっちは子育てで忙しいのに。」

「あたしは何のためにあなたと結婚したの?あなたの世話をするためだけに結婚したの?こんなんじゃ、結婚した意味がない。」

「子育てで一番辛い時期に、あなたはいつもいないわね。どれだけ私が大変かわかってるの?」

「はぁ?飲み会?私が子育てでこんなに忙しいのに、よくそんな事言えるわね!」

 

このような言葉を、毎日のように投げかけられました。(^^;)

 

妻の言葉は、自然な言葉なのかもしれません。

 

自衛隊の常識は、世間の非常識』

 

陸上自衛隊という特殊な環境、社会にいる人たちの行動は、なかなか一般の方には理解しがたいものです。

もちろん、大学を卒業して10年以上陸上自衛隊で勤務をしていた僕にとっては、その環境や社会は、当たり前のものなんですけどね。

 

だから、妻が言っていることがよくわからなかった。

なぜ、そんなにいつも怒っているのかが理解できなかったんです。

喧嘩の耐えない日々

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一生懸命仕事をして家に帰ってきているのに、そのような愚痴ばかりを言われると、黙ってられなかったんです。

 

家に帰って早々、喧嘩のゴングが鳴る(^^)

 

 

「なんで仕事をしっかりしてるのに、そんなことをいつもいつも言われないといけないんだ!

「疲れて帰ってきてんのに、そんな嫌味をいつも言われると余計に疲れるんだよ!」

「じゃあ、俺が仕事を辞めて家事を全部やるから、お前が外で働いて金を稼いでくるか?」

「そんなに今の生活が嫌なら離婚すればいいだろ!」 

 

いつも妻から投げかけられる言葉に対して、イライラが爆発してしまう。

 

仕事も大変…

 

家庭も大変…

 

家庭でも毎日のように喧嘩で、楽しいことがない日々が続いた

 

仕事もいっぱいいっぱい・・・

 

家庭のこともいっぱいいっぱい・・・

 

心休まる時間が無くて、常にイライラしていた。

 

ご飯を食べている時も、トイレに入っている時も、お風呂に入っている時も、通勤している時も、仕事の休憩時間も、仕事時間も、本当にいつもいつもイライラしていました。

 

そしていつの間にか、自分がちょっとのことでイライラをするめちゃくちゃ気の短い人間になっていたことに気づきました。

 

なかなか仕事に集中できないし、自分の心情は常にイライラしている状態、家族の雰囲気も、ものすごく悪い状態。

 

どうにかしないと‥この状況…

僕の反省すべき点

職場の環境云々は別として、このような状態になってしまったのは、それだけ自分が未熟で、心に余裕がなかったんだと思います。

 

妻に自分の仕事について理解させられてなかった

家庭内でのコミュニケーションが圧倒的に不足していたんです。

 

まずは、仕事について理解してもらわないといけなかった。

多忙なのは今の組織に勤めている以上は仕方ない。

組織は変わらない。じゃあ、どうするのか?

 

現状や今の気持ち、将来についての日頃からのコミュニケーションが、当時の僕にとっては必要だったんです。

 

実を言うと、僕は仕事から帰ってきて疲れていた事もあり、妻とあまり会話をしてきませんでした。

ご飯を食べている時も、頭の中は仕事の事ばかり

せっかくの家族が集まってご飯でも食べているのに、家族で楽しい話をする事はありませんでした。

 

こんなんじゃあ、妻が怒るのは当たり前ですよね^^;

 

もちろん仕事の話は、家ではほとんどしませんでした。

どうせ話したって理解できないし、毎日が単調で話のネタになるような出来事もない。

それよりも、頭の中でいろいろ仕事のことで考え事をしているんだから、むしろ黙ってて欲しかったんです。

仕事で疲れているので、しゃべるのが面倒だったんです。

だから妻の話しかけに対しても、いつも「うるさい!」というような言葉を、イライラしながら投げかけていました。

 

今思えば、とてもひどい対応だったなと猛省をしています。

 

特に反省すべきは、子供の前でも夫婦喧嘩をしていたんですね。

とても、悪影響だったと思います。

子供もそのことを察してか、喧嘩してる最中に話しかけてきたり、何か自分のほうに気を引かせるような行動をとるようになりました。

 

子供に非常に悪影響…

 

子供に対しては、いつも非常に申し訳ない気持ちになっていました。

 

かわいそうなことをしてしまったな…

 

いつもそう思っていましたが、いつの間にか、自分の怒り狂った感情をコントロールすることができなくなっていました

 

後から振り返ってみても、あの時の自分自身はとても異常な精神状態だったのかな・・・

 

あの頃は、目の前の仕事を完遂することに精一杯で、そのことに全く気づかなかったんです。

今になって、心に余裕ができて、やっとそのことに気づくことができました。

かなり遅いですよね。

 

多くの家族との貴重な時間を無駄にしました

 

でも、色々と苦労した分、多くのことを学ぶことができました。

 

そんな僕に対しても、いつも僕のことを思い、当たり前にご飯を作ってくれたり、弁当を用意してくれたり、僕の仕事の悩みを聞こうとしてくれたり、大変な子育てをやりながら、家族を支えようとしてくれた妻には、非常に感謝をしています。

 

そして小さいながらも両親が喧嘩しているのを見て気を使い、何とか喧嘩をやめさせようと親の気を引きそういう娘の健気な言動には、非常に感激させられ、そんな小さな子供にそのような思いをさせてしまった自分を情けなく思いました。

一家の大黒柱としての決断

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家庭はガタガタ、仕事もなんだか身が入らない

 

うーん、最悪…

 

環境を劇的に変えるしか、現状は変わらないんだろうな・・・

 

正直僕は焦っていました。

 

このままだと家庭が崩壊して、自分も精神的につぶれてしまうかもしれない。

 

時間の問題かも…

 

このまま階級が上がり、責任が増えてくると、状況が更に悪化してしまうのは火を見るより明らかでした。

 

僕は市ヶ谷の防衛省陸上幕僚監部へ異動直前に退職を決意しました。

 

現状のまま、本省勤務をしたらどうなるかを何度も想像してみました。

どうしても、将来に光が見えなかったんです。

自衛官が退職に踏み切れない理由とは

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自衛官に限らず、退職をするには非常に勇気が必要です。

人生の中でも、これまでにないくらい大きな決断になるからです。

もしかしたら、これまでの生活がガラッと変わってしまうかもしれない。

人間関係も新たに構築していかなければならない。

新しい仕事がしっかり出来るだろうか。

色々と先のことを考えると不安になってくる。

家族を持っていたら尚更、不安・・・

 

現状がどんなに辛くても、その現状は『コンフォートゾーン』になってしまっているんですね。

だから、ガラッと環境を変化させるような決断ができないんです。

 

どうやって、上司に退職の話を切り出そうか・・・

今後の生活はどうなってしまうんだろうか?

退職をして次の仕事はすぐに見つかるんだろうか?

次の仕事は今と同じ位の収入、もしくはそれ以上の収入がもらえるんだろうか?

これまでお世話になってきた人たちを裏切ることになってしまうんじゃないか?

 

色々な不安ばかりが頭の中をめぐるんです。

 

これまで陸上自衛隊にはいろいろな経験をさせてもらいました。

僕を育てるために、非常に多くの『投資』をしていただきました。

幹部候補生学校での教育、米国陸軍への留学や陸上自衛隊幹部学校での教育・・

退職することで、お世話になった陸上自衛隊を裏切ることになるんじゃ・・・

 

不安だけでなく、罪悪感も・・・

 

そういうことを悶々と考えてると、なかなか転職に踏み切れないんです。

人生を劇的に変えるには、とりあえず崖から飛び降りてみるのも手

でも、この『退職』という、ステップが突破できなければ、次のステップには進めないわけです。つまり、退職をして、苦しい現状よりも家族にとってより良い生活を送られるようなワークライフバランスを達成するための新しい可能性の扉を開けないわけです。

 

ただし、退職をするにはそれなりの合理的な理由をしっかり準備して、納得してもらう必要があります。

 

僕も退職を上司に伝えるまで、何日も悶々としていました。

伝えないといけないのに、中々踏ん切りがつかない・・・

 

そしてある日、意を決して上司のところに行きました。

(退職のためには、いつかは言わないといけないこと。家族のためにもしっかり伝えなければ・・) 

 

班長。相談があるんですが、ちょっと今お時間よろしいでしょうか?」

 

上司を別の部屋に案内して、退職の話を切り出しました。

 

「実は・・・・という状況でして、どうしても退職する必要があります。これまで陸上自衛隊には感謝をしきれないくらいお世話になりましたので、非常に心苦しいのですが、退職をしたくよろしくお願いします。」

 

それを聞いた上司は非常に驚いていました。

 

「えっ?お前辞めるの?マジか!!!」

 

その上司の顔は、今でも忘れることができません。

 

異動内示もそろそろ出ようかという時期。

内内示は既にもらっていて、陸上自衛隊の中枢である、陸上幕僚監部への異動がほぼ決まっていた。上司は、当然、僕が陸上幕僚監部へ行って勤務するものだと思っていたことでしょう。

 

「それは、他の方法では何とかならんのか?」

 

「いいえ。色々と検討しましたが、他の方法でも厳しいんです。家族とも相談して決断したことです。」

 

様々なやりとりがあり、30分くらい話しただろうか・・・

 

「そうか・・・お前と家族がそれで納得してるんなら・・・」

 

何とか直属の上司に理解していただけた。

 

「ちょっと、これから部長のところへ行って話そう。」

 

それからその上司と一緒に部長のところに行きました。

 

部長にも退職を決意した経緯をしっかりと説明し、直属の上司からもしっかり説明していただけたので、すぐに納得していただくことができました。

その後、陸幕人事部、副司令官や司令官とも話をしました。

 

内定日が迫っていたこともあり、速やかに退職手続きを終える必要があったため、約1週間程度で退職に至ることができました。意外にあっさりと退職手続きは終わりました。内定前で、陸幕人事部には多大なご迷惑をおかけしてしまいましたが・・・

 

僕の場合は、ほぼ無計画で退職をしました。

あれこれ考えたり、準備をしたりする時間がなかったんです。

まずは何も考えずに崖から飛び降りるというのも1つの手かもしれません。

 

色々な人の思いやいろいろな考えが頭の中を駆け巡り、なかなか決意することができなかったからです。

 

もちろん、計画的に準備をしていたほうが、退職後のリスクは減らせますし、そちらのほうが家族にとっても安心なのは言うまでもありません。

陸上自衛隊で『働き方改革』が進まない理由

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数年前から『働き方改革』と言われているけど、陸上自衛隊で何が変わったの?

前述した、幹部自衛官の奥様の疑問です。

 

防衛省内で色々な取り組みはされているようですが、やはり民間企業の取り組みに比べれば歴然の差があります。

 

あんな巨大な組織は、すぐには変われません。

業務に多少の余裕のある部隊や機関なら出来ると思いますが、それ以外の多忙な部隊や機関は難しいと思います。

これから、その理由を説明します。

陸上自衛隊の仕事上、『働き方改革』は馴染まない

そもそも、陸上自衛隊の仕事上、働き方改革は馴染まないのです。

当たり前のことですが、自衛隊の仕事を民間企業が代替できる訳ではありません。

特殊な仕事なんです。

国に対する脅威が切迫している場合又は大規模災害が発生した場合など、「働き改革」などと悠長な事は言ってられません。国民のため国のために自己を犠牲にして働く必要があります。入隊のときに自衛官はそのように『宣誓』をしますし、国防にはそういう人たちが必要なんです。 

やるべきことは盛り沢山。でも深刻な幹部自衛官不足

以前のブログにも書いた通り、昔から陸上自衛隊は幹部自衛官が不足しています。

それにもかかわらず、陸上幕僚監部の改革、陸上総隊の新編、南西諸島の強化、北朝鮮のミサイル発射、中国の脅威、日韓関係悪化、トランプリスク、災害派遣など複数の非常に大きな課題を抱えています。

これらの困難な業務を遂行していく上では、それなりの教育や経験を経た優れた幹部自衛官が必要です。人材育成には、多くにお金と時間がかかります。

幹部の数だけを悪戯に増やそうとすれば、幹部自衛官の平均スペックや仕事の質が下がってしまい、恐らく色々な所で弊害が発生することになるでしょう。

ですから、限られた人間で多忙な仕事をこなしていかなければならないんです。

そもそも「残業」の概念すらない

そして、そもそも自衛隊員には、「残業」の概念がありません。

勤怠時間管理がされてないのです。(最近は、実験的に導入をしている部隊もあるようですが)

ですから、日常の業務では自分で『勤務時間感覚』を持って仕事をしなければ、止め処なく仕事をしてしまいます。そして、周りがまだ仕事をしている、ましてや上司が朝早く来て夜遅くまで仕事をしているのに、自分は上司より遅く出勤して早く退勤することができるでしょうか?

民間の方は奇異に感じるかもしれませんが、陸上自衛隊では、それが中々出来ない雰囲気なのです。

僕もそうでしたが、特に仕事もないのに、上司や周りの同僚に忖度して無駄にダラダラと職場に長く滞在してしまっていました。

司令部等多忙な部署での勤務となると、一応は定められている終業時間に「はい、さようなら」ということにはならないのです。特に、下っ端の幹部は。

上司が「帰れ!」と一言言ってくれれば、全然違うと思うんですけどね。

そこまで気が回る上司は中々いない。

 

民間企業であれば、「勤務時間」が厳格に決まっていて、それを超える場合は「残業」が発生します。会社としても出来るだけコストを削減したいので、残業はできるだけして欲しくない。上司が仕事をしてても、それは上司の仕事だから、自分の正面の仕事が終われば関係ない。自分の仕事が終われば、すぐに帰る。そういう考えが当たり前。

もし、本気で働き方改革をするのであれば、大きく業務のやり方を変えたり、これまでの思想や伝統を変えたり、根本から変革する必要があると思います。

部隊でも幹部不足。幹部自衛官は休めない!

長期の演習や災害派遣で溜まった代休。

これもなかなか消費するのは難しいんです。

なぜなら、部隊に幹部に数が不足しているので、幹部がいなければ、部隊が回らないんです。訓練ができないんです。

かつて僕は代休が1年で40日以上溜まったことがあります。

中隊長のような管理職になれば、その代休がお金に変えられるのですが、初級幹部だと、代休を期限内に消化できなければ消滅してしまいます。結局、その代休が溜まってもそれを消化するだけの休みを取ることが難しいんですね。

結局は赤線でその代休を消すことになりました。

このような幹部自衛官は多かったのではないでしょうか。

今となってはこのような事は既に改善されてるはずですが、昔はそういうこともありました。

多忙な部隊の初級幹部の給料は、時給に換算すると、陸士隊員よりも貰っている額は少ないんじゃないかと思います。だから、みんな幹部自衛官になりたがらない。割に合わないんです。

幹部自衛官の給料とか福利面にフォーカスをしてしまう人にとっては、幹部自衛官の仕事はすごく辛く思えてきて、嫌になってしまうんです。

僕は、もう少し、幹部自衛官の給料は高くてもいいんじゃないかと思います。

一生懸命頑張った代償

残念ながら、業務の忙しさのため家庭と仕事の両立がなかなかできるできなくなってしまい、うつ病になってしまい家庭が崩壊してしまったり、またうつ病がひどくなって自ら命を立ってしまう。そういう人を僕はたくさん見てきました。

 僕の同期や同僚に中にもそういう人はいました。

 

それって非常に悲しいことだと思いませんか?

 

国のため一生懸命命を削って、プライベートを犠牲にして働いているにもかかわらず、仕事とプライベートのバランスが崩れてしまったこと、仕事で悩み、病んでしまい、自ら命を絶ってしまう。

せっかく与えられた貴重な人生。

こんなことで終わっていいの?

こんな終わり方でいいのでしょうか?

プランBを準備しておく

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確かに、組織としての『働き方改革』の取り組みは重要です。

そのような事にならないように未然に防げるような取り組みを進めていく必要があります。優秀な幹部自衛官うつ病になったら、それだけで組織にとって大損害です。自殺者が出たらその職場に与える副次的な影響も非常に大きくなります。

 

でも、組織や他人を変えることは、非常に難しいですよね。

短期間で変わることはないし、変わったとしても微々たるもの。

一番早いのは、自分自身が変わることです。

 

だから、僕は初めから、はっきり決めていました。

もし業務が行き詰まったり、せっかく築いてきた家族が崩壊しそうになった場合、もうどうしようもなくなったら、その時点で陸上自衛隊を辞める。

これまで家庭が崩壊した人や自殺した人のことを見てきて、そう決めていました。

 

これは非常に大事な思考法だと思います。

将来のことを予期して、あらかじめ自分がとるべき行動を決めておく。

1つしか選択肢がない事、一つの仕事に依存してしまうこと、その仕事が自分が生きていく上で全てのことだと思い込んでしまうことは、非常に危険なことだと思います。

常にプランBは準備しておくべきです。

あなたにとって陸上自衛隊での勤務が最重要?

自衛隊を退職して思いましたが、はっきり申しますと、世の中には腐るほど仕事がありますし、自衛官を必要とする企業は必ずあります

それに、今の日本では、贅沢をしなければ飯が食えないと言う事はありません。

働ける体、働く気力があればコンビニエンスストアでアルバイトしたり、何でもいいんです。仕事は何でもあります。

最悪、病気で働けなくなっても、日本には生活保護というセーフティネットもあります。

 

稼ぎながら次のことを考えればいいんです。

少しの期間、家族には迷惑がかかるかもしれません。

しかしながら、長い目で見れば、もしあなたに自殺されるよりは家族は幸せなのではないでしょうか。

 

今のあなたの陸上自衛隊という職業は、あなたが10代、20代の未熟な年齢のときに決断した職業であって、本当にあなたに適した仕事では無いかもしれません

もしかしたら、世の中にはもっとあなたが活躍できるような仕事、もっとあなたが輝けるような仕事が存在するかもしれません。

 

僕は思います。

 

身体を壊してまで、家庭を壊してまで、今の仕事を続けないといけないの?

仕事って自分の健康や命、家庭よりも優先されるものなの?

仕事よりも、あなたのことを好きになって付いてきてくれた人や子供の方が大切なんじゃないの?

 

一度しかない人生。

自分の好きなことをやればいいんじゃないの?

 

自分が毎日ワクワクできるようなことができればいい。

自分がもっと輝けるような仕事ができればいい。

毎日楽しく過ごすことができれば、周りにいる人たちも幸せな気分気持ちになるのではないでしょうか。

 

もし、自殺したいほど苦しい状態であれば、あるいは家庭が崩壊しそうな状態なのであれば、ご家族としっかりコミュニケーションを取った上で、勇気を持って「退職」という選択肢をお勧めします。

 

昔の記事でも同じようなことを書いた記憶がありますが、これがこのブログで一番伝えたいことなんです。

 

僕の経験や僕の思いが、今悩んでいる人たちのお役に立てれば幸甚です。

 

今回も大変拙い文章になってしまいました。

長い文章を最後まで読んでいただきありがとうございました。

 

今日も皆様にとって素晴らしい1日となりますように!

 

元国防男子・大吉

【現役自衛官の転職希望者必見!!】元陸自幹部自衛官の転職活動記 〜家庭崩壊危機による自衛隊退職決意から転職成功まで〜

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おはようございます。

元・国防男子の大吉です。

 

ご無沙汰しております。

家業の方も何とか落ち着いたので、数ヶ月前から本格的に民間企業への転職活動をしていました。

そして、自分のこれまでの知識や経験が一番活かせそうなベストな就職先が決まりました。

そのため、

に役立ちそうな記事を書きたいと思います。

 

任期制の隊員や定年退職者は、各駐屯地の援護室で再就職先の斡旋をしてもらえます。が、僕のように自分の意志で退職する場合はそのような斡旋を受けることが困難だと思いますので、僕(元3等陸佐)の転職活動経験を共有したいと思います。

あくまで僕自身が民間企業への転職活動を経験して実践したことや感じたことなので、参考にできるところだけ参考にして、これからのあなたの選択に役立てていただければ幸いです。

 

 

退職を決意したその他の理由

過去の記事を読んでいただいた方はわかるかもしれませんが、僕は13年間陸上自衛隊で務めて退職しました。 

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www.future-oriented.com

前の記事では書かなかったですが、実は退職理由は他にもあったのです。

①激務に耐えることが美徳??

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幹部学校の教育では、防衛省本省で勤務する先輩方から、統合幕僚監部陸上幕僚監部等でどのような勤務をしているかについて講話を受ける機会がある。

そして、幹部学校の教官も防衛省本省での勤務経験者ばかりなので、授業の中で本省での勤務状況について話していただくことがあった。

その中で、防衛省本省経験者は想像を絶するくらいの激務を経験していることを知る。

  • 俺は、月曜の朝出勤して金曜の夜に帰宅する生活を3年間続けた。その結果家庭が崩壊した。
  • 上司が毎日朝の6時に出勤するから、それより前に出勤しないといけない。始発では間に合わないので、いつも職場に泊まっている
  • 帰れない日はいつも事務所の床の上か机に伏せて寝ている
  • 3佐クラスは上司へのお茶汲み、ゴミ捨て係。自分の仕事は雑用が終わった夕方から始まる。だから、なかなか終電までに帰れない。

講話に来ていただいている人に共通して言えることは、上記のようなことを自慢げに話し美談化する。

うつ病になって離脱したり自殺する人もいるのに、この環境に耐えることが美徳

 

本省勤務なので、多忙であるのは仕方ないと思う。

が、なぜ、このおかしな状況を変えようという声が出ないのかが当時の僕にとって不思議でならなかった。

②『人生100年時代』に自衛隊社会しか知らないことへの不安

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現在の自衛官の定年は、50代半ばから60歳くらい。

再任用制度や定年延長を考慮するともう少しだけ伸びる。

  • 『人生100年時代』と言われている中で、 自衛隊退官後に数千万円ほどの退職金を頂いて一生を遂げるまでの何十年という月日を過ごすだけの金銭的余裕はあるのか?
  •  50年後の日本の社会保障制度や医療制度はどうなっているでしょうか?

そのようなことを考えていくうちに、

  • 自衛隊の中に安住していて大丈夫だろうか?
  • 一般的に言われている自衛官(特別国家公務員)=安定は本当か?

という不安や疑問があった。

人生を遂げるまでの長いスパンで見たとき、自衛官として働き続けていることは、必ずしも安定化にはつながらないのではないか?と思うようにもなった。

  • 自衛隊を退職したら、自分は何ができるのか?
  • 退職後、民間企業で通じるスキルはあるのか?
  • 本当の安定はと『どんな状況になっても自分で稼ぎ続ける力を身につけること。』じゃないのか?

③「お前は仕事を楽しんでいるのか?」

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(写真はイメージ:陸上自衛隊公式HPより引用)

PKO(国連平和維持活動)に参加しているときに、外国部隊の同僚に言われた言葉

司令部での勤務だったので、結構忙しかった。

というか、自分で忙しくしていた。

 

僕の場合は、通常のPKOの司令部業務に加え、情報収集、本邦への報告業務もあったため、日本で勤務しているときと同じくらいの忙しさだった。

勤務時間は、0730〜2100くらいで、土日も半日くらいは働く。

 

それとは逆に、色々な国から集まっている組織なので、「お前、何しに来たんだ?」と思うくらい仕事をしない人も沢山いる。

 

同僚からは、いつも「お前は、何をそんなに忙しそうにしてるんだ?」と不思議がられていた。

 

僕にとっては、同僚からの「仕事楽しいか?」という言葉は、衝撃的だった。

「えっ??ああ・・・」

仕事って楽しいものなのか?義務的なものじゃないのか?

 

自分のやりたい事で飯を食っていける人はほんの一握り。多くの人は、嫌な仕事に就いて我慢しながら働いているんだ。

小さい頃からずっと両親に言われてきた言葉。

だから、『仕事とは苦しいもの。苦しいのを我慢しながらするものなのだ』という観念を持ち続けていた。

  • あれをしなければならない。
  • これもしなければならない。
  • こうでなければならない。

自分の中で勝手に「義務感」を作り出し、どんどん自分自身を追い込み、縛り付け、苦しめていたことに気づいた。

  

大吉、もっと肩の力を抜いて、楽しめよ!

 「・・・・・・・・・」

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いつからだろう・・

仕事がいつのまにか楽しくなくなったのは。

思い返してみると、

初級幹部時代はもっとリラックスして毎日を楽しんでいた。

隊員と遊びに行ったり、馬鹿なことをやったり。

かなり多忙な時もあったけど、毎日が充実していて本当に楽しかった

 

でも、経験を重ねてそれなりに階級が上がってくると、業務量は当然増加し、それに伴ってそれなりの知識も必要となる。

つまり、生活の中で、仕事が占める時間の割合が増加する。忙しくなって当たり前。

そして、結婚をして子供ができると、家族の大黒柱として「夫」として、「父親」としての役割、両親が年老いてくると「今後の実家のこと」や「両親の介護」にも目を向けなければならなくなる。

 

結婚をして家庭環境が大きく変化し、家庭での自分の役割もどんどん増える中、仕事でも業務量や責任感がどんどん増加した。

僕の未熟さ故、いつの間にか、仕事と家庭のバランスうまく取れなくなってしまい何をやっても上手くいかなくなってしまっていた

家庭を優先させると、仕事がうまく行かなくなり、

仕事を優先すると、家庭のほうが疎かになり家庭環境が悪くなった。

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妻「もっと、家庭のこともしっかりやってよ!」

僕「うるさい!こっちは仕事してんだから仕方ないだろ!」

 

妻「ちょっと、あたしの話をちゃんと聞いてるの!」

僕「うるさい!今仕事のことを考えてるんだ!後にしてくれ!」

 

自分に心の余裕がなくなって、家庭内で喧嘩が増えた。

3歳の子供が気を遣って、喧嘩を止めさせようと自分に気を引かせるような言動を取る。

『あ〜、かなり良くないな。この状況・・・。子供にも、家族にも。』

 

毎朝0600に家を出て2100頃帰宅する生活

休みの日でも、頭はいつも仕事のことでいっぱい

 

完全に仕事に支配された生活

 

今の状態でこれなのに、防衛省本省で勤務し始めたらどうなるんだ?

「月曜日に出勤をして金曜日に家に帰る」という生活が始まったら・・・

 

家庭崩壊・・・

結果は、明らかだった。

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そういった将来のことに悩んでいたとき、

陸上自衛隊での勤務の中で、世界各国を回り、各国の軍人を含めた人たちと会って話をする中で、自分を含め家族の『将来働くことへの考え方が大きく変容していった。

色々な外の世界に触れ、様々な価値観を持った人と出会うことで、人生や仕事に対する価値観が変わった。

 

自分の人生の主人公は、自分のはず。

俺は、何で仕事や他人によってこんなに自分の人生を振り回され、苦しんでいるんだ?そして、家族を苦しめてしまっているんだ?

 

  • もっと好きなことを
  • もっと自由に
  • もっと楽しく
  • もっとリラックス
  • もっと家族や自分を大切に

 

一度きりしかない人生。

自分のやりたいことにチャレンジしてみよう!

仕事も含めて、家族と思いっきり楽しもう!

 

そう思ったとき、

これまで長年僕を縛り付けていた、

両親から言われ続けた『仕事は苦しいものなんだ。我慢して続けるものなんだ。』という固定観念から一気に解放され、「退職」しようと決意できた瞬間だった。

 

時代の変化とともに、その考え方や価値観は変わる

これからは、好きなことを仕事にしていける時代

現に自分の好きなことをしながら、楽しく生活している人たちが増えている。

 

防衛省本省勤務経験者が口を揃えて言うような、「自分や家庭を犠牲にしてまで、仕事に尽くすことの美学」にはどうしても賛同はできなかった。

 

僕には、仕事よりももっと大切なものがある!

そして、毎日楽しめるような仕事を探す!

いざ、崖から飛び降りるとなると・・・

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(写真はイメージ:陸上自衛隊公式HPより引用)

そう決意したけど、やっぱり退職することって怖いんですよね。

とても勇気がいるんです。

多くの人にとって人生の中でこれまでにないくらい大きな意思決定で、それはリスクを伴う行動だから。

  • 家族を背負っているし、収入が減ってしまって生活が苦しくなるかも
  • これまで培ってきたものが失われるかも
  • これまでお世話になってきたのに途中で辞めて申し訳ない

どうしても、「失敗してしまったら・・・」というネガティブな思考や、お世話になった組織や人への想いばかりを考えしまうんです。

だから、なかなか飛び出せない。 

僕も「退職」を上司に打ち明けるのにかなりの勇気が必要だった。 

過去の経験に裏付けされた変な自信と家族の支え

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(写真はイメージ:陸上自衛隊公式HPより引用)

僕にとって、とてつもない恐怖に打ち勝ち、

崖から飛び降りることができたのは、

  • 『どんな厳しいことにも耐えてきたから、何とかなる。』
  • 自衛官のときよりももっとやり甲斐を感じられて、社会にもっと貢献できる仕事が必ず見つかる。』
  • 『僕の経験を買ってくれる企業は必ずいるはずだ。』

という、自信があったから。 

 

陸上自衛隊の中では、幹部自衛官としてそれなりの仕事を任されてやってきたし、リーダーシップやマネジメントを実践し、普通の民間企業ではできないような厳しい経験や貴重な体験をさせていただいてきたという自負があった。

だから、『どこでもやっていける。』という変な自信があった。

 

そして、退職できたのも、家族の理解や支えがあったから。

退職を承諾してくれない家族もいるだろう。

これまで沢山の苦労を掛けたけど、温かい家族の応援があったから踏み切れた。

家族のためにも、家族を大事にできるような環境を作ろうと決意した。

 

でもね・・・・

民間企業で通じる専門スキルがない35歳以上の僕にとって、現実はそんなに甘くなかったんです。

僕の退職後の状況

予想してたけど、とても後悔した退職後

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退職した当初は、毎日のようにとてつもない虚無感に襲われた。

 

13年間も陸上自衛隊で生活をしてきて、

  • 陸上自衛隊で学んできた戦術、リーダーシップ、戦史等の専門的知識
  • 人間関係
  • 景気に大きく影響されることのない安定した生活(給与、福利厚生)
  • 民間ではありえないような格安でお得な保険
  • 特別国家公務員としての地位・・・

これらの自衛官であれば当たり前にあったものがすべて無くなって初めて、『国家公務員って恵まれていたんだな〜』ということを実感した。

そんなこと、退職前に気づけよって感じですよね ^^;

 

これから家族を養っていかなければならない責任感が重くのしかかる。

正直なところ毎日が不安だった。

与えられた仕事をやっていたら普通に生活ができるという安心感は無くなった。

でも、後には引けない。未来を切り開くしかない。

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いくら不安になろうが、もう後戻りはできない状態。

とことん突き進むしかない。

 

可能性は無限大

家庭、年齢や金銭的なことで多少の制約を受けるが、良くも悪くも自分の努力や選択次第で人生や家族の運命は大きく変わってくる

 

僕の周りにも自衛隊を定年前に退職して、自分で未来を切り開いて活躍している方が沢山いることを思い出した。

 

大臣、国会議員、知事、国連職員、経営者、医者、弁護士、公認会計士、有名漫画家、芸人・・・

 

自分の頑張り次第でいくらでも道が拓ける

実際にそう言う人たちは沢山いる。

  

とことんやってやる!

そう決意した。

 

まずは、自分の『使命』や『将来の目標』を考え、

そのことをベースとして、家族の『ライフプラン』を作成してみた。

ぼちぼち転職活動をスタート!

自分のマーケットバリュー(市場価値)は?f:id:future_oriented:20190123171817j:plain

自衛隊から離れたら、何ができるか?

 

まずは、これから新しいことをスタートする上で、自分の『武器』となるものを分析しなければならなかった。

  • どんな経験をしてきたのか?
  • どんなスキルを持っているのか?
  • どんなことに貢献できるのか?

これが、企業側の求人票とマッチングすれば、内定の確率が大きくなる

自衛官は、退職後どのような仕事に就いている?

自衛隊では、再就職に向けた教育・訓練も実施される。

①任期制隊員の退職者

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(写真はイメージ:陸上自衛隊公式HPより引用)

任期制隊員の退職や陸曹等の定年退官の場合は、駐屯地援護室で再就職のサポートをしてもらえる。

  • ライフプラン教育及び今後のライフプランの作成
  • 部内・部外の技能教育(パソコン、ヘルパー、フォークリフト等)
  • 合同企業説明会への参加(多くの企業が参加するので選択肢は多数)
  • 採用試験対策や履歴書の書き方等のサポート

退職後は

  • 運輸系(バスやトラックの運転手など)
  • 警備系(警備員)
  • 製造系(工場での製造)
  • サービス系(空港、整備、ホテル、医療、介護)
  • 建築(不動産)
  • 小売(ディーラー)

といった仕事に就くことが多い。

 

自衛隊の合同企業説明会など自衛隊の斡旋を受ければ、自衛官を採用したい企業が集まるので、採用される可能性は高くなります。

 

逆に、自衛隊の援護制度を利用するデメリットを上げれば、

自衛隊の紹介や合同企業説明会だけの中で選択するのは、選択肢の幅を狭めてしまうことです。

もっと自分にあった仕事や自分のやりたい仕事、条件の良い仕事、将来性のある仕事に出会うチャンスを逃してしまう可能性があります。

 

個人的には、転職サイトに登録して、選択肢を広げた中でベストな選択をすることをおすすめします。

②陸曹定年退官者及び幹部定年退官者

定年退官を迎える予定の人は、定年退職前に「業務管理教育」や「防災危機管理教育(幹部)」「技能訓練」「各種通信教育」といった職業訓練を受けて、再就職への準備をする。

 

幹部自衛官の定年退職者には、防衛産業の企業に入ったり、都道府県・市町村の防災担当、企業の顧問、保険外交員等として第2の人生を歩む人もいる。 

転職サイトへの登録と転職の壁

転職サイトへの登録段階で躓く

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転職活動でまず初めにやったことが、転職サイトへの登録。

まずは、世の中にどんな企業があって、どんな職種や業種があるのかを知ることから。

 

転職サイトに登録を進めていたとき、「????!!!」

これまでの経歴の職種や業種について登録する箇所があった。

 

職種:

業種:

  • 金融・保険
  • 建設・不動産
  • コンサルティング・士業
  • IT・インターネット
  • マスコミ・メディア・・・

 

『・・・・・・・・・・・・・』

 

これまでの僕の経験を活かせるそうな職種、業種がない!

「人事」は少しだけ経験したことがあるが、中途採用していただいて即戦力として働けるほどの知識や経験を持っていない。

 

というか、それぞれの業種がどういう仕事内容でどのようなスキルが必要なのか、よくわからない。

 

あまりにも民間企業のことについて無知過ぎる!!!

 

井の中の蛙、大海を知らず!!」

 

蛙が初めて大海に出たときの感覚かもしれない。

 

もしかして、井の中にそのまま残ったが幸せだったのか?

 

あまりにも自分の無知さに悲観的になりながら、自分がやってきたことに近い内容を登録した。

「防衛」、「防災」とか「危機管理」って選択肢があればいいんですけどね・・・

 

『先行きが不安・・・』

俺って、もしかして民間企業では使えない?

 

そんなことを思いながら、7〜8つの転職サイトに登録してみた。

数を打てば、どこかに当たるだろうという浅はかな考えで。

自衛官の転職の『壁』

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(写真はイメージ:陸上自衛隊公式HPより引用)

多くの求人票の「必須能力」の欄に記載されている事項。

  • ビジネス経験◯年以上
  • △△分野での経験◯年以上
  • ◇◇資格保有

という大きな制約があった。

  • ビジネス経験 → なし!
  • △△分野での経験 → なし!
  • ◇◇資格 → なし!

 

『う〜ん・・・・。これが現実か・・』

『これから、資格を取得する?いや、家族もいるし厳しいよな〜』

 

転職活動を進めていく中で厳しい現実を突きつけられた。

 

陸上自衛隊の幹部自衛官としてかなりの教育を受けてきて、誰にもできないような貴重な経験をさせてもらっている。

できれば、これまでの知識や経験を最大限に活かせるような仕事に巡り会えれば、最高なのに・・・

 

色々な求人票を見ていたが、厳しい現実を目の当たりにして正直行き詰まった

民間で通じるスキル・経験がなければ転職は難しい

もちろん、仕事は選ばなければ何でもある

でも、自分の希望する職種、給与等の様々な条件を勘案すると、中々希望するような仕事は見つからない

 

でも、折角転職するのだから、できればもっと活躍できて、社会の役に立てて、より良い条件の企業を目指したい

 

陸上自衛隊の幹部は、作戦を計画したり、部隊を纏めたりと「ジェネラリスト」として運用される。民間企業でもそうだが、日本の転職市場においては、ジェネラリストとして運用されている人は転職が難しいようだ専門的スキルがなければ、即戦力とならないためだ。

 

僕はこれまでの勤務で、長として、人事、情報・保全、教育訓練、兵站管理、教官、国際派遣など様々な領域を経験した。

幹部学校指揮幕僚課程を出ていたので、陸上自衛隊の「職種」から離れて将来的に防衛省の中枢の統合幕僚監部陸上幕僚監部、方面総監部、師団司令部での幕僚や部隊長等としての役割を期待されていた。

正しく「ジェネラリスト」として勤務をしてきて、これからもそのように勤務をしていく予定だった。

 

でも・・・民間企業で働くとなると、僕は民間企業の業種で通ずるようなスキルを持っていないことに気づいた。

「ジェネラリスト」だと、経営者とか役員、経営企画等に分類されるかもしれないが、民間企業で働いたことがなく、ビジネスの知識もないのでいきなりそのような役職・部署で勤務するのは難しい。

かといって、これまでの自衛隊での経験を活かせるような業種も中々見つからない。 

沢山のオファーやスカウトを頂いたが・・・

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転職サイトへの登録後、かなりの数のオファースカウトが送られてきた。

不動産や保険の営業や警備関連が多かったかな。

陸上自衛官の転職先にありがちな就職先だった。

『警備関連』といっても、ほとんどの求人が施設警備。

『現場での施設警備か・・。う〜ん・・・。求めているのは、こういうんじゃないんだよな〜。計画作成とかマネジメントの方をやりたいんだよな〜。』

 

大抵の求人は、給与が防衛省で頂いていた額よりも結構下がる。

独身ならなんとかやっていけるけど、家族を持っているとその給料では厳しい。

これまであまり意識したことはなかったけど、陸上自衛隊時代って、実は結構給料を貰っていたんだなということに気づいた。

そして、どれも初めての経験となるような仕事ばかり・・・

 

一般的に30代での転職だと、これまでの経験を考慮した即戦力として採用されるようだ。

 

そういう一般的な認識もあったので、できれば「これまでの経験」を活かしつつ、「マネジメント」を重視するような業務がしたいと思っていた。

それが、自分の能力を一番発揮できて、貢献できる。

『これまでの経験こそが僕の最大のマーケットバリューであり武器』だと思っていた。

僕の経験やスキルに価値を見出してくれる企業は必ずどこかにあるはずだ。

そう信じ続けていた。

 

また、年齢が35歳を超えているので、再就職で1からのスタートというのはできるだけ避けたいという思いもあった。

だから、妥協して就職先を決めたくなかった

そうだ!転職のプロに話を聞こう!

僕は一般大学卒だったが、公務員一本で試験を受けたので、民間企業の就職活動は全くしなかった。

なので、民間企業のことはほとんどわからない状態だった

 

知識がないのに自分の中で悶々としても、先に進めない。

悩んでいても埒が明かないので、

転職エージェントのアドバイザーに直接話しを聞きに行くことにした。

 

できれば、僕のこれまでの経験を見て、新たな可能性に気づかせていただき、その中で自分の希望する転職先を紹介していただけることを期待して。

 

実際に、2社の転職エージェントを訪問して2名のアドバイザーと面談をした。

小規模転職エージェントでのアドバイザーとの面談

1社目は、小規模な転職エージェントで対応してくれたのは20代の男性。

とても礼儀正しい人だった。

面接で聞かれるような一般的な質問をされ、希望職種や希望年収等の条件を伝えた。

 

その男性は20代で経験が浅いこともあり、話を深掘りして、可能性の幅を広げることができなかった。

そして、小規模エージェントだったので求人数も少なく、満足の行くものがなかった

自分の経歴や転職の動機等を頭の中で整理することができたので、それだけでも成果はあった。対応していただいた担当者には感謝!

 

この反省から、次は大手の転職エージェントに行こうと決意。

大手転職エージェントでのアドバイザーとの面談

2社目は、求人数がNO1の大手の転職エージェント。

対応してくれたのは、40代くらいの女性。

その女性は、3年前にこの転職エージェントに転職したらしい。

 

『3年か・・・・。経験が少し浅いな。』と思いながら面談に臨んだ。

 

転職の流れや転職市場の状況についても詳しく教えていただき、僕との会話の中で「こういう業種はいいかもしれませんね。」と、可能性の幅を広げていただけた。

そして、大手の転職エージェントということもあり、僕の提示した給与面等の条件に比較的近い求人をたくさん紹介してもらった。

 

さすが、大手!!

 

話の中で、彼女は以前に自衛官の斡旋をしたことがあるが、紹介したのは陸曹、陸士の隊員だったので、今回の僕のような幹部自衛官の案件は初めてだったらしい。

 

1時間くらいの時間で、これまでの僕の経歴やスキルについて伝えた。

 

「僕のこれまでの経験を活かせそうなお仕事はありますか?」

 

「大吉さんは、これまでかなり過酷な環境で仕事をしてきているので、どんな企業でもやっていけると思います。

  

「はぁ、そうですか・・・」

 

期待していたような答えは返って来なかった。

 

結局、僕が完全に納得できるような求人は、現在のところ求人数NO1の大手転職エージェントにも無かった。

もし、マッチするような求人が出たら連絡していただくことをお願いして面談は終了した。 

 

やはり、陸上自衛官の幹部で35歳を過ぎていて、これまでの特殊な経験を業務に活かすとなると、かなり難しいのかな?

 

今回の面談を通じて学んだこと。

↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓ ↓

①転職は「タイミング」

中途採用は、タイミングが重要らしいんです。

というのも、求人が出るのはそのポストにいた人が何らかの事情で居なくなって、そのポストに空きができたから。

企業としては、そのポストを埋めるためにある一定期間、求人を出し、応募者の中から面接をして採用する。

つまり、自分が行きたい企業やポストがあっても、そのポストが空いていなければ求人は出ないんです。

たまたま転職の時期に自分の希望する求人があればいいんですが、無ければ中々就職先が決まらない、あまり希望はしていないんだけど収入が必要だし仕方なく入社するという事態になることもあります。

自分にピッタリあった良い求人に出会えるかは「」もあるのです。

②書類選考通過が最大の関門

中途採用の書類選考の通過率は、たったの20%らしい。

実は、面接に進むまでが一番大変らしいので、転職エージェントからは気になった求人はどんどん応募するように勧められた。

 

そうは言われても、求人票を見てしっくり求人はそれほど多くなかった。

そして、あまりしっくりこない企業に応募して書類選考が通過しても、次の面接のための企業研究や志望動機を考えるのに時間を割くのは、時間の無駄だと思った。

だから、本当に話を聞いてみたい、求人票が魅力的な求人を厳選して、そこに力を集中ることにした。

アドバイザーが言っていた『書類選考通過率20%』というのは、一度作った職務経歴書をそのまま使い回して色々な企業に提出しているのが原因ではないかと思った。

企業の求人票と職務経歴書の内容が合致しなければ、書類選考の通過は難しい。

ある日届いた運命のスカウトメール

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転職サイトに登録して7ヶ月後、大手転職エージェントで面談を行ってから約1ヶ月後のこと。

 

登録していた転職サイトから、1件の『スカウトメール』が届いた。

 

『スカウト』って、レアな求人で使用される制度なんですね。

【求職者の経歴・スキル=企業が欲しい人材】と考えたときに企業・転職エージェントの担当者から送信されてくるんです。

転職エージェントからスカウトメールが送られてきた場合、その求職者が見事採用されれば、企業側から転職エージェント側にその求職者の年収の何十%かを支払うようになっているらしいんです。

企業にとったら、転職エージェントを通じてスカウト制度を利用することが一番「金」がかかり、転職エージェントにとっては、一番「金」が入る制度らしいです。

だから、ポストが沢山あって、巷に溢れている誰でも応募できるような求人であれば、スカウト制度は使用しないんです。

 

これまで、何件かのスカウトは頂いたが、これまでの業務経験が活かせる企業というよりは、自衛隊で培った体力や精神力を活かしてというようなものばかりだった。

つまり、あまり人気のない求人、人が集まらなさそうな求人でのスカウトが多かった。

 

しかし、今回のスカウトは違っていた!

 

【非公開求人】 防衛省キャリア出身者

 

キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!

 

  • 求人内容、ドンピシャ!
  • 海外出張、駐在あり!
  • 年収、結構アップ!
  • 福利厚生、充実
  • 会社の立地、最高

こんなことってあるんですね。 

震えました・・・

最初の難関、書類選考

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まずは、企業への応募。

書類選考から始まるため、『履歴書』と『職務経歴書』を準備する。

両方ともPC作成用のしっくりくる定形が見つからなかったので、自分で枠から作成。

 

スカウトがきた求人は、僕の希望にドンピシャの求人

この企業なら自分の能力を最大限に発揮できるし、入社後も活躍できる理想的な求人。

こんなチャンスはまたとない!絶対に逃したくない求人

 

職務経歴書には、これまでの経験を棚卸しして、アピールポイントを山のように記載して送った。

面接まで進めば、大丈夫だという確信があった。

指揮幕僚課程の2次試験の試問の練習や後輩の指導にも当たった経験があり、面接でのポイントや職務の分析は何度も経験してきたためだ。

 

幸い、陸上自衛隊で様々な経験をさせていただいたので、職務経歴書の記載は十分できた。アピールポイントも含めてA4用紙で7枚も書いた。

ちょっと多すぎるかなと思ったけど、面接まで行けずに書類選考で落とされたら、それはそれでかなりショックを受けてしまうだろうと思った。

100%をアピールして書類選考で落とされたら、企業の求人とマッチングできなかったということで納得はできる。

だから、かなりの時間をかけ、面接の諮問をイメージしながら100%出し切った

無駄なことは削ぎ落とし、企業側の求人内容に通ずるポイントをできるだけ簡明にして、量が多いので見やすくすることにも心がけた。

 

結果、書類選考通過

転職エージェントからは、「企業側の人事担当者は、内定を前向きに考えている。」ということを聞いた。この時点で少し安心した。 

30代後半にして人生初!民間企業での面接

民間企業ではじめての1次面接。

どんなことを聞かれるのか不安だったが、一般的に聞かれるであろう退職理由、希望理由、長所・短所はしっかりとしたものを準備していた。

あとは、事前に提出した職務経歴書に沿って質問されるんだろうなと思い、質問を予想してそれに対する回答を準備していた。

更に、企業のHPを見ながら企業理念や価値観、編成表、実績等を研究し、入社した後、求人票に記載されていた業務について、自分だったらこのようにするというイメージを膨らませ、企業側への質問も10個くらい準備して臨んだ。

 

実際の面接では、人事部長、配属先の長(役員)、担当者の3名が面接官だった。

陸上自衛隊式の面接しか知らない僕にとっては、とても新鮮だった。

終始穏やかで、飲み物まで準備をしていただいていた。

 

しかし、面接ではかなり細かいところまで突っ込んで聞かれた。

企業側の部署の長と担当者もどうすればいいのか思案している事案について、あなたならどうやって対処するかなど、かなり細かいところまで質問された。

事前に自分なりに業務に対する細かいイメージを作り上げていたので、何とか回答することができ、面接を通じて入社後には即戦力として力になれることを確信した。

 

1時間30分予定の面接だったが、30分オーバーの2時間の面接となった。

時間がオーバーしたということは、面接としては良い兆候らしい

 

1次面接は、他にも防衛省警察庁のキャリア組(国家1種)の合計3名だったらしいが、何とか1次面接通過の連絡を頂いた。

省庁のキャリア組でもそのキャリアを捨てて、民間企業に転職する人もいるんですね。

 

最終面接は、一人だけだったので企業の取締役と和やかに話して終わりました。

取締役との面接だったので、どんな鋭い質問をされるかビクビクしていたので、かなりの準備をして臨みましたが、入社への意思確認程度でした。

翌日には、内定通知をいただきました。

 

こんな感じで僕の初めての転職活動は、無事終わりました。

 誤解しないでほしいこと

自衛隊に残るという選択肢を忘れないで!

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(写真はイメージ:陸上自衛隊公式HPより引用)

誤解しないでほしいことですが、上記のことはあくまで僕個人の経験や私見です。

陸上自衛隊では、民間企業では絶対に経験できないこと、やりがいのある仕事も沢山あります。

現状の仕事が苦しい、職場環境が良くないと、どうしても「外の世界」に目を向けてしまいがちになりますが、一度冷静になって考えましょう。

  • 転職後の生活は大丈夫か?
  • 転職する時期は、いつがベストなのか?

転職をしないで自衛隊に残るという選択肢の方が良いという場合もあります。

転職にはリスクが伴うからです。

転職活動がうまく行けばいいですが、「ご縁」が無ければ、就職先がなかなか決まらず、焦ってしまって自分の希望する条件を妥協してしまうこともあるかもしれません。

その結果、陸上自衛隊にいたほうが良かった後悔することもあると思います。

 

転職を成功させるためにも、退職をして再就職までのプランを立てたり、貯金をしたり、自衛隊にいる間に転職に必要な資格を取得したり、しっかりと準備をしてリスクを軽減してから退職することをおすすめします。

転職には様々なリスクがあることも理解した上で意思決定をしていただければと思います。

②あなたにとって会社務めへの転職が最良の選択ではないかもしれない

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今回は『民間企業への転職活動』について書きましたが、僕がその判断に至るまでに、もう一段階の過程を踏んでいます。

収入を得て生活していくための手段には、様々な方法があるからです。

僕にとって、将来の目標や現状のスキル、家庭状況等の様々な要素を勘案して今の自分や家族にとってベストな選択「民間企業で正社員として働く」ということだっただけです。

 

これまで様々な制約があってできなかったこともできるようになったので、次の目標に向かって知識や経験を積んで、将来的には次のステップを踏み出すつもりです。

次の段階に進むために必要な知識や経験を積むことができる場所が、今回転職先として希望した企業だったのです。

まとめ

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1 (ハイクラスの)転職は、求人数が多い転職サイトを選ぶべし。

  実際に使ってみて良かった3つの転職サイト

 ① リクルートエージェント(求人数が最多)

   転職希望条件入力|転職のリクルートエージェント

 ② BIZREACH(ハイクラス求人が充実)

   選ばれた人だけのハイクラス転職サイト【ビズリーチ】

 ③ エン・ミドルの転職

   転職|30代、40代のハイクラス転職サイト【ミドルの転職】エンジャパン

2 転職エージェントのアドバイザーに話を聞きに行くべし。

 ・ アドバイザーは、経験豊富なベテランを要望する。

 ・ 具体的な希望をイメージをアドバイザーに伝える。

 ・ アドバイザーと話すことにより職務の棚卸しができ、面接対策にもなる。

 ・ 希望を伝えることで、それに合った求人を紹介してもらえる。

 ・ 転職初心者でも転職の流れから詳しく説明してもらえる。

3 無料の面接対策セミナーを受講すべし。

 ・ リクルートエージェントに登録すれば、無料で面接対策セミナーの受講が可能

 ・ 「面接不合格=人物的にダメ」 ではない。

 ・ 中途の面接は、求人票とあなたの職歴やスキルとのマッチング

   あなたの自衛隊での経験がどのように企業活動に活かせるのか?

 ・ 新卒面接は、個人のポテンシャル

4 職務経歴書は妥協せずに、自分をアピールすべし。

 ・ 履歴書及び職務経歴書自分のセールスレター

 ・ 自分の経験を棚卸し、求人票へ適合させる。

   訓練での泥臭い話や災害派遣活動での話は格好のネタ

 ・ 面接でアピールしたいことを、職務経歴書に仕込んでおく

5 企業研究、入社後の業務のイメージを膨らますべし。

 ・ 面接対策として、当然やっておくべき事項

 ・ 企業側への質問も思い浮かべやすいので、面接で積極性や熱意をアピールできる。 

 

************************

長文を最後まで根気強く読んでいただいてありがとうございます(^^)

当時の思いも含めて一気に書いたので、少しわかりにくい箇所もあるかもしれませんが、あなたの今後の選択に少しでも役立てば幸いです。

 

今日も皆様にとって良い一日となりますように!

 

元国防男子 大吉

【元・陸上自衛官が語る】陸上自衛隊の語学教育(米国国防総省語学学校の情報含む。) 〜僕が入校した小平学校幹部普通英語(POE)課程〜

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こんばんは。

元・国防男子の大吉です。

 

今日は、陸上自衛隊の語学教育についての記事を書きたいと思います。

陸上自衛官でも一部の人しか知らない英語課程に関する情報も記載してみましたので、これから英語を使って仕事をしたいと思っている人は必見です!

幹部自衛官だけでなく、陸曹自衛官にも役立つ情報ですよ!

きっとあなたの将来の仕事の幅が増えるはずです。

 

 

陸上自衛隊には語学学校があり、

無料で、給料を貰いながら集中的に語学教育を受けることができるんです。

もちろん、将来の任務に備えるため。

 

すごく魅力的ですよね?

 

僕も幹部普通英語課程に入校させてもらい、日々の業務から離れて約5ヶ月間も英語を集中して勉強させていただきました。

 

  

悲願の幹部普通英語課程(POE)への入校!

僕がまだ、第1空挺団に所属しているときのこと。

前回までの検閲訓練も終えて、次の定期異動のとき、

待ちに待った幹部自衛官の部隊への補充があった。

 

中隊長からは、

『大吉、POEの入校案内が来てるけど、どうする?』と。

 

「是非、行きたいです!」

 

『これまで一人で頑張ってきたから、希望だったPOEに入校させてやる。』

『行って来い!』

 

と言っていただいて、

部隊の多忙な業務から5ヶ月間も離れて、

英語漬けの日々を送ることができた。

 

本当にラッキーだった。

 

上司に反対をされて入校させてもらえない隊員も沢山いる。

部隊から幹部が一人いなくなれば、

その分の業務は誰かが肩代わりしなければならない。

だから、業務がきつくなってもその幹部の将来を考えて、入校を許可してくれる理解のある上司でなければ、そのチャンスを掴むことができない

もちろん、部隊に幹部が不足していて、

どうしても入校させることができない部隊もあるため、その場合は仕方ないのだが・・

 

実は、将来的に英語を使用した仕事を希望する幹部や、将軍になるための登竜門である指揮幕僚課程(CGS)に入校するためには、英語はとても重要。

よって、特に英語が苦手な人にとっては、この入校が出来るかどうかは、将来の自分の進路にとても重要なものとなる

(忙しい業務の中で、自分でしっかりと時間を確保して軍事英語を勉強できる人は問題ないが。)

 

英語課程に入校するメリットは、

① 英語を集中的に学ぶ時間が確保でき、小平学校が長年培ったノウハウにより効率的に軍事英語を学ぶことができる。

② 無料で英語学習やTOEICの受験ができる。

③ 英語を使用しての指揮等、実践を通じて学習ができる。

④ 指揮幕僚課程(CGS)の受験時に必要となるTOEIC(L&R)の点数を上げるための勉強をすることができるため、受験に有利に働く。

⑤ 入校中の同期ができ、その関係は将来的にどこかで役立つ。

⑥ 海外留学、防衛駐在武官、連絡官、PKO等の海外で勤務できるチャンスが掴みやすくなる。

⑦ 将来の職域の幅を広げることができる。

など。

ざっと思いつくだけでもこれだけあります。

もちろん、継続して学習しなければチャンスを逃してしまうこともあります。

 

陸上自衛隊では、英語ができるとかなり重宝されるため、

(というか、幹部は英語ができて当たり前で仕事では必ず使用する時が来る。)

自分の将来の道に必ずプラスに働く

 

だから、

たとえ部隊の業務の関係で英語課程に入校できなくても、腐ることなく、

英語は継続的に勉強を続けていくべき科目だ。

 

習志野駐屯地から小平駐屯地へ

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(出典:陸上自衛隊公式HPより引用)

普通英語課程への入校が認められて、

千葉県の習志野駐屯地から東京都小平市の小平駐屯地へ引っ越しすることになった。

 

これから、約5ヶ月の小平での生活がスタートする。

 

陸上自衛隊一激しい部隊から、

主に自衛隊の学校(人事、会計、警務、システム、情報、語学)が集まる閑静な小平駐屯地へ。

隣に警察機動隊の学校があるため、たまにうるさいが小平駐屯地内はとても静かで、平和 (^o^)

 

平和な5ヶ月のスタート!

降下や行軍等の厳しい訓練もなし!

部隊での多忙な訓練計画の作成等の業務からも開放される!

教育は17時30分には終了するので、それ以降は自由!

毎日の帰宅が2100過ぎだった僕にとっては、自分のことだけに集中できる最高の期間だった。  

小平学校のその他の語学課程

ちなみに、小平学校の語学課程には、

英語教育の他に、

ロシア語】【中国語】【朝鮮語

の課程がある。

海上自衛隊航空自衛隊には上記の3つの課程がないため、海・空自衛官や事務官も教育に参加する。

1年間の課程教育で、「情報」要員やそれらを母国語とする国で勤務する駐在武官要員などが参加する。

卒業後に、そのまま小平学校の語学教官になる人もいる。

 

上記の課程は結構きついと思う。

1年間もずーっと語学の勉強だけなので、成績が伸び悩むとストレスも溜まるでしょう。

毎日深夜0時頃まで教場の明かりが点いていました

 

僕がPOE入校中に、ロシア語課程の学生が自ら命を絶った事案もあった。

 

でも、それらの語学が得意な人や将来そちらの方面で働きたい人は是非希望するといいでしょう。

幹部普通英語課程の入校・卒業基準

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幹部普通英語課程では、一般英語軍事英語を学ぶ。

クラスは、ABCクラスの3クラスあって、

それぞれの素養(TOEICの点数)によってクラス分けされる。

 

入校の要件は、

TOEIC(L&R)で350点以上

 

当時の卒業基準は、

TOEIC(L&R)で500点を取得すること(当時)。

現在は600点。)

 

ちなみに、

規則で定められた各課程の教育開始時の能力→教育終了時の能力は以下の通り。

【英語通訳集合訓練】 800→860

【幹部上級英語(AOE)】600→730

【幹部普通英語(POE)】350→600

【陸曹上級課程(AEE)】470→600

【陸曹普通課程(PEE)】270→400

 

 

僕は、大学時代では第1外国語で中国語を学習していたので、

大学4年間は英語の授業はほとんど受けていなかった。

本格的に英語を勉強するのは、大学受験以来。

 

部隊にいるときには、英語を使用する業務がなかったし、当時は英語の重要性もよくわかっていなかったため、一切英語の勉強はしていなかった。

 

が、運良く、入校時の素養テスト(TOEIC)で500点以上取得できていたので、教育間は気持ち的に楽だった。

 

でも、今回の入校の目的は、『軍事英語』を学習すること

「敬礼!」や「回れー、右!」などの軍隊の号令をはじめ、

米陸軍の教範に基づいた学習をする。

 

これまで、軍事英語は勉強したことがなかったので、僕をはじめ、入校者のほとんどが軍事英語初学者。

幹部候補生学校でも少し軍事英語は勉強する。)

 

入校者の中には、素養試験の点数が250点という隊員もいた。

入校要件がTOEICで350点以上だったのだが、

この学生はこの教育が終了したら、在外公館警備対策官としての勤務が予定されていたため、要件は満たしていないが入校したらしい。

 5ヶ月後の卒業時には、ギリギリで500点を取得できたが、かなり苦労をしていた。

 

最終的に僕たちのクラスは、 

クラス全体のTOEIC(L&R)の平均点が、250点くらい伸びた。

(当時は歴代最高の伸び)

一番伸びた人は、確か300点以上は伸びたかな〜。

伸び代にもよるが入校して真面目に取り組めば、TOEICの点数はそれくらい上がる。

軍事英語も何とか喋れるくらいにはなる。

だから、この教育に参加できるかどうかは、自分の将来にとってはとても重要なのだ。

(もともと、英語ができる人は問題ないが。)

 

小平学校では、どんな入校生活をするの?

日常生活

語学学校なので、朝から晩まで英語漬け

居住隊舎から教場までは、英語で号令をかけて部隊で移動する。

 

毎朝、『間稽古(まげいこ)』といって、

前日に出された10文くらいの文章を暗記して、

教官を含むグループで発音等を練習する。

明らかに覚えていなければ、こっぴどく怒られる。

 

教官室に入るときも、入室から指導受け、退室まで英語で実施する。

発音が悪かったり、間違うと指導してもらえる。

 

英語の授業は、部外からの外国人と日本人の講師がいて、

一般英語』を学習する。

軍事英語』は、基本的に小平学校所属の

陸上自衛官か事務官が担当する。

 

授業が終わったら、英語で日記等の課題が沢山出される

そして、文章の暗記。これが地味にきつい。

 

ほとんどの学生は夕食及び入浴後、教場に戻って夜遅くまで勉強をしている。

 

僕は、ずーっと英語という環境が嫌になり、

毎晩のように外出して気分転換をしていた。

 

週に1日は、気分転換のために体育の授業が行われ、体育係が計画した科目で汗を流す。

 

このような生活が約5ヶ月続いた。

 

入校当初は、新しい同期との出会いやこれまでとは異なった環境で自分の勉強だけできることをすごく幸せに思った。

 

しかし、毎日がとても単調な生活

英語だけの勉強で、課業中は日本語の使用は禁止。

 

このため、2週間で拒否反応・・・

「あぁ、退屈だ。早く部隊に帰りたい・・・」

となってしまった。

 

空挺団での勤務があまりにも激動で、刺激がたっぷりあった分、

英語だけ勉強するという単調な生活に耐えれなくなったのだ。

 

だから、毎日のように、課業が終わると外出をして駐屯地外の空気を吸っていた。

在日米陸軍人との交流

教育間、キャンプ座間の在日米陸軍から准尉から大尉までの階級の軍人が3名、

小平学校に来て2週間程交流する。

 

この間、

小平市にある歴史館をグループごとに英語で説明したり、通訳の練習をしたり、米陸軍に関するプレゼンをしてもらったりする。

 

そして、その米軍人が参加している期間は、課業終了後、グループ毎に日本文化を紹介するために米軍人を誘って外出する。

これがこの教育期間で一番楽しかったこと!

実際に米軍人とざっくばらんな話ができる良い機会だったから。

 

僕たちのグループは、C大尉に日本文化を紹介することになった。

C大尉は男性で、職種は通信科で趣味はサッカーだった。

 

電車に乗って、まずは立川市にあるお好み焼き屋に連れて行った。

その後、彼の希望でキャバクラに2件行った。

かなりの女性好きだったので、結構楽しんでいた。

 

次の日。 

教官室の前を通ると、英語の女性の教官とC大尉が

昨日の日本文化の紹介についての会話をしているのが聞こえた。

 

女性の教官から、

「C大尉、昨日はどこに連れて行ってもらったの?」

カマクラ』

「えっ、鎌倉まで行ったの?遠かったでしょ?」

って会話を耳にして、

 

「あっ、ヤバイっ」って思ったけど、

キャバクラに連れて行ったことが何とかバレなくてよかった・・・。

いい思い出です。

 

それから5年後

僕が在日米陸軍司令部で勤務していたときに、

C大尉は在日米陸軍の通信中隊の中隊長として勤務していた。

階級も1つ上がって、少佐になっていた。

5年以上経ったけど、

また一緒に勤務することになるとは

当時は思いもしなかった。

横田基地の奥様との英会話

小平駐屯地に比較的近いところに米軍の横田基地がある。

そこの奥様達とグループ毎に毎週会話実習がある。

それぞれのグループで担当の奥様は決まっていて、中には目のやり場に困る服装で参加される奥様もいる(^^)

 

毎週会話のお題が決まっていて、

それについて、まず英語でプレゼンをして、

同期や奥様からの質問に答えるというもの。

これは準備が大変だったけど、とても勉強になった。

 

ハロウィンやクリスマス等のイベントのときには、

アメリカのあま〜いお菓子やケーキを作って持ってきてくれた。

そして、教育終了直前には家に招待していただき、ご馳走を振るまってくれて、

横田基地のオフィサーズ・クラブでお酒を飲んだりもした。

隊歌コンクール

なんと、小平学校では隊歌コンクールというものがあり、コンクールの1ヶ月前くらいから、

間稽古が英会話から隊歌合唱に変わる(^^)

このコンクールには小平学校の他の教育課程の学生も参加し、それぞれの課程対抗の合唱コンクール

「何で英語の勉強をしにきているのに、なんで歌なんか歌わないといけないんだ?」

学生の誰もがそう思っていた。

 

しかし、教官曰く、

『合唱することで英語の発音が良くなるから。』

 

「・・・・・・・。」

 

僕たちの課程は、

小平学校校歌』と『抜刀隊

を合唱することになった。

 

隊歌係」という変な係が臨時的に決められ、その係の学生の指導のもとに、コンクールに望む。

もちろん、隊歌係といっても歌は素人です。

 

毎朝、小平学校校歌と抜刀隊を大声で歌った。

入校中はあまり大声で歌うことも無かったので、声の通りは良くなった?かも。

 

合唱コンクールの結果は、3位。

全部で15チームくらいいたかな?

 

個人的にはどうでもいいコンクールだったのであまり覚えていません。^^;

チャンスは突然やってくる!

僕は入校当初の素養試験の結果が良かったので、Aクラスで授業を受けていた。

しかし、毎晩外出していたこともあって、成績の伸びはそれほど良くなかった。

教育中盤くらいにはクラスを一つ下げてBクラスになり、そのまま卒業した。

 

当時の教官がよく言われていた言葉が、

たとえ、POEでCクラスであっても、これから必ず英語を使って勤務したり、海外で勤務する可能性があるから、英語は継続的に勉強しておくように!

当時は、話半分に聞いていた

 

僕は英語はそれほど得意でなく、英語に対する情熱も高くなかったので、

POE卒業後も

「この成績じゃ、今後英語を使う仕事はないな」

と勝手に思い込んで、英語の勉強からしばらく離れてしまっていた

教官の忠告を無視して。

 

それから、約2年後・・・

指揮幕僚課程合格後に、

突如、米国陸軍への留学の話が!

 

「なに〜!?こんな美味しい話があるのか?」

「えっ!?試験もあって、試験で82%を取得しないと行けないの?」

 

留学前に米国国務省の語学試験があったので、また英語の勉強を再開。

 

留学から帰国後、すぐに指揮幕僚課程に入校して、卒業後に、在日米陸軍司令部勤務。

その後は、国連の兵站課程を受講するためにマレーシアの国連平和維持活動センターに短期留学し、

南スーダンPKOへ個人派遣で1年間参加することになった。

 

POEに入校しているときは、

これほどまで英語を使う仕事に携わることになるとは全くもって思っていなかった

でも、何とかチャンスをものにでき、英語のお蔭で海外で勤務する機会を得ることができ、普通の人ではできない沢山の貴重な経験をさせていただいた。

そんなこんなで5ヶ月間の教育は修了

そして、5ヶ月におよぶ教育も無事終了し、晴れて空挺団に帰れることになった。

やっと英語地獄から解放された。

もう、毎日英文を覚えなくていい!

日本語で会話できる!

 

大学時代に中国語を勉強していたこともあり、中国語課程で勉強してみたいと思っていたが、もうこの単調な生活には耐えられないと思って諦めた。

性格的に合わないんだろうなと。

 

英語課程終了後の空挺団長への申告と感想は、英語で。

 

卒業後は部隊の業務をやりつつ、当面の目標である、

陸上自衛隊幹部学校の指揮幕僚課程試験合格を目指して勉強を頑張りました。

最後に

僕が受けた当時の幹部普通英語課程はそんな感じでした。

英語がある程度できる人にとっては、気楽に教育を受けることができますが、

英語が苦手でTOEICの点数が低い人はかなり苦労するかもしれません。

 

英語がかなりデキる人は、

その上の『幹部上級英語(AOE)』に入校するといいでしょう。

これは、通訳要員を育成するための教育で、卒業するとMOS(特技)がつくので、日米共同訓練などの通訳が必要な場面で重宝されます。

 

さらに上を目指す人は、『英語通訳集合教育』。

英語能力を伸ばしたい人は、是非『AOE』や『通訳集合教育』にチャレンジしてみてください。

課題も沢山出されてキツイですが、英語力はかなり付くと思います。

 

この他、英語を極めたいという人は、

米国国防総省語学学校(テキサス州ラックランド空軍基地)の「教官課程」(BALIC:Basic American Language Instructor CourseとAELIC:Advanced American Language Instructor Course)入校もあります。

教官として英語で教育するためのノウハウを学ぶことができます。

よって、小平学校の英語教官はこれらの課程に入校できるチャンスがあります。

そして、英語が得意であれば教官以外でも、陸曹でも入校が可能です

 

ちなみに、米国軍の教育課程へ留学する人は全員(陸曹も含めて)、約2ヶ月間、ここで軍事英語の勉強をして本課程に進みます。

 

ここの施設での教育環境は最高です!!

帰国したくなくなります!!

 

詳しくは、↓ ↓ ↓ ↓

米国国防総省語学学校HP:http://www.dlielc.edu/index.php

 

そして、TOEIC(L&R)対策でおすすめの教材は、 ↓ ↓ ↓ ↓

CD付 [完全改訂版]TOEICテスト直前の技術

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公式 TOEIC Listening & Reading 問題集 1

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公式TOEIC Listening & Reading 問題集2

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公式 TOEIC Listening & Reading 問題集 3

公式 TOEIC Listening & Reading 問題集 3

 
公式 TOEIC Listening & Reading 問題集 4

公式 TOEIC Listening & Reading 問題集 4

 

TOEIC(L&R)をまだあまり受けたことのない人、600点未満の人には、『TOEICテスト直前の技術』はオススメです。(小平学校でも推奨され、この本に基づいてTOEIC対策をしてくれます。)

パート別の対策や対策順序も記載されていますので、効率的に得点を上げたい人はこれを使ったほうが良いでしょう。

 

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最後まで読んでいただきありがとうございました。

今日も皆様にとって良い一日となりますように!

元国防男子 大吉

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【初心者必見!】元・陸自隊員が詳しく語る 初心者のための平成30年富士総合火力演習(陸自最大の実弾演習)

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陸上自衛隊HPより引用)

おはようございます。

元・国防男子の大吉です。

 

毎年恒例の陸上自衛隊富士総合火力演習の時期がやってきました!

陸上自衛隊最大の実弾演習

今年の一般公開は、8月26日(日)1000〜1200。

 

陸上自衛官で入校中の学生は、一般公開前日の土曜日に「夜間の部」を含めて研修できます。

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陸上自衛隊HPより引用)

これから陸上自衛隊に入隊しようと思う人陸上自衛隊に入隊したばかりの隊員は、是非この演習を見たほうがいいでしょう。

チケットが入手できなかった人は、陸上自衛隊のHP上にも動画が公開されています。

前段訓練の主要装備品の紹介は、陸上自衛隊でどのような装備品が使用されていて、どのような場面で使用するのかもアナウンスで紹介されているので、とても勉強になると思います。

 

富士総合火力演習とは

◯ 毎年8月下旬の日曜日に静岡県御殿場市東富士演習場で開催される陸上自衛隊最大の実弾演習

◯ 一般公開前日の土曜日は、主に自衛隊員を対象に行われ、陸上自衛隊各種学校に入校中の学生たちが見学に行く。

◯ チケットは応募制となっており、倍率は約30倍、駐車場付きチケットだと約200倍らしい・・・チケットの入手はかなり難しい

◯ 諸外国もこの実弾演習には注目。

 ・ 陸上自衛隊どのような装備品を保有し、どれくらいの練度なのかがわかる。

 ・ 北朝鮮の軍事パレードを日本を含めた周辺諸国が注目しているのと同じ。

◯ 演習を通じて情報を発信する側としては、日本国民への広報だけでなく周辺諸国の本国侵攻への抑止力の効果があるため、防衛省として最も力を入れている演習

  そのため、隊員たちは2ヶ月も前からこの演習準備に集中する。

◯ 後段演習では、「島嶼(とうしょ)部に対する攻撃への対応」のシナリオとなっており、現在の日本にとって脅威が高い分野への対処要領を紹介。

平成30年の富士総合火力演習の概要

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陸上自衛隊HPより引用)

1 日 時

  平成30年8月26日(日)1000〜1200(2時間)

2 場 所

  静岡県御殿場市 東富士演習場 畑岡地区 

3 当日の天気予報(8月25日(土)0730現在)

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  (御殿場市の10日間天気(6時間ごと) - 日本気象協会 tenki.jp

  ※ 御殿場地区は天気が非常に変わりやすいため、念のため雨具の用意はしておいたほうが良い。

4 演習プログラムの内容(平成29年)

(1)前段演習

  ・ 主要装備品の紹介

    火砲、戦車、対空火力、対人狙撃、水陸両用車、ヘリ火力など

  ・ 空挺降下

    自由降下、自動策降下

(2)後段演習

   島嶼部に対する攻撃への対応シナリオ

5 アクセス

(1)私有車を利用する場合

 ◯ 「駐車場利用券」を持っている人

  ・ 指定された無料の駐車場に駐車する。

  ・ 指定された駐車場から畑岡地区までは、陸上自衛隊が準備したシャトルバス(7時より運行)を利用可能

 ◯ 「駐車場利用券」を持っていない人

  ・ 御殿場駅周辺の駐車場に駐車し、富士急行バスの臨時シャトルバス6時より運行、片道大人570円、往復大人1100円)かタクシー(片道3,000円程度)を利用

  ・ 御殿場駅周辺の駐車場

    御殿場市営南駐車場アットパーク御殿場駅

 ◯ 注意事項

  ・ 日曜日は御殿場プレミアム・アウトレットへの客もいるため、御殿場IC付近は8時頃から激混み

  ・ 東名高速道路裾野ICで降りて指定された駐車場に向かったほうがスムーズ

(2)電車を利用する場合

 ◯ JR東海道線御殿場駅で下車

 ◯ 御殿場駅から富士急行バスの臨時シャトルバス6時より運行、片道大人570円、往復大人1100円)かタクシー(片道3,000円程度)を利用

 ※ 乗車時刻が遅くなると1時間くらい待つことになるので、到着は早いに越したことはない

(3)富士急行バスの臨時運行について(2018年)

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(4)その他

 ◯ 一般公開は1000からだが、朝の5時くらいに到着している人も多数いる。(恐らく、前日から並んでいる人たちも。)

   少しでも良い席を確保するためには、早朝に到着した方が良い

 ◯ シート席の前列は間近で砲撃の威力を味わうことができ、

   スタンド席は全体を見渡せるというメリットがある。

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https://s.webry.info/sp/junichi-nagashima.at.webry.info/200708/article_8.html

6 当日持っていったほうがいいもの

 ◯ 雨対策:雨具(レインコート、傘)

 ◯ 暑さ対策:帽子、飲み物、タオル、日焼け止め

 ◯ 座るとき対策:座布団、バスタオル、ビニール袋(シート席は土足なので汚れます!)

 ◯ 見るとき対策:双眼鏡、カメラ

7 その他

  チケットを入手できなかった人のために、当日のライブ配信あり。

  陸上自衛隊公式HP:陸上自衛隊:富士総合火力演習:映像配信

平成29年富士総合火力演習の内容

前段演習


平成29年度富士総合火力演習(前段演習)

陸上自衛隊HPより引用)

後段演習


平成29年度富士総合火力演習(後段演習)

陸上自衛隊HPより引用)

見どころピックアップ

前段演習(主要装備品の紹介)

▽ 10式戦車

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陸上自衛隊HPより引用)

世界の戦車の中でもNo.1の性能を誇る第4世代の戦車

74式戦車や90式戦車に比べて小型・軽量化され、動きがものすごくスムーズ。

注目してもらいたいのは、10式戦車のスラローム射撃

移動しながらの正確な射撃ができるのはこの戦車くらい。

▽ 水陸両用車(AAV)

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陸上自衛隊HPより引用)

近年導入された水陸両用車。

車両後部には20名の人員が乗車でき、上陸後速やかに展開できる。

演習場での紹介となるので、水中から上陸するまでの実演が見れないのが残念だが、スクリーン上で映像を見れるので海上から上陸シーンに注目してもらいたい。

これからの自衛隊島嶼防衛には欠かせない装備品です。 

▽ 16式機動戦闘車(16MCV)

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陸上自衛隊HPより引用)

戦車と違い装輪車両のため、道路上を自力走行ができ、航空自衛隊のC-2輸送機での空輸も可能。よって、離島防衛などへの対処の際には、速やかに南方地域へ機動することが可能だ。

注目ポイントは、74式戦車と同等の火力を持ち、100km/hの速度で機動できること。戦車との動きの違いを確認してほしい。

▽ 戦闘ヘリ(AH−64Dアパッチ)

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陸上自衛隊HPより引用)

最強の戦闘ヘリ

レーダーなどにより、地上の200を超える目標の探知が可能

また、データリンクシステムを搭載し、戦術情報を共有することができる優れもの。空対空ミサイル「スティンガー」、70mmロケット弾、ヘルファイヤミサイル、30mm機関砲の重装備。当日は、30mm機関砲の射撃を見ることができ、ヘリからの射撃シーンは迫力がある。

▽ 火砲(155mm榴弾砲(FH70)

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陸上自衛隊HPより引用)

陸上自衛隊の主力装備品の牽引式の榴弾砲

もちろん、自走式榴弾砲のほうが射撃や移動がスムーズなのだが、

注目してもらいたいのは、隊員たちの射撃までのスムーズな動作

隊員たちの一挙手一投足を見ていると全く無駄な動きがなく感動する。

▽ 空挺降下(自由降下)

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陸上自衛隊HPより引用)

オーロラビジョンのモニターに航空機内の映像が映し出され、空挺隊員たちのヘリ機内での様子や飛び出し動作が確認できる。

隊員たちが上空1,200mの航空機から飛び出していく瞬間は、めちゃくちゃかっこいい!

そして、パラシュートが開傘するまでの隊員が約200km/hで落下していく姿も見どころです。

双眼鏡をお忘れなく!

後段演習

▽ 航空火力による対地攻撃

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(出典:https://blog.goo.ne.jp/4ldk_gucci/e/7cf17d9adb5885faa69630c6d64f82a1

天候が良ければ、今年もF-2戦闘機が飛来する予定。

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(出典:http://photozou.jp/photo/show/234848/47817625

安全上の理由により実弾でのミサイル射撃(JDAM)は実施されないが、航空火力の破壊力は半端ない。火薬量を半分に減らした模擬爆弾でも写真のような大迫力です。

陸上自衛隊にとって、航空自衛隊の航空火力はかなり心強い存在!

▽ 先遣小隊の降下(リペリング) 

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陸上自衛隊HPより引用)

ロープ1本で隊員たちが連続でスムーズに降下する姿はカッコいい!

経験者から見ると、かなり訓練されている。

ヘリからの降下は揺れるし難しいんですよね。

▽ 障害処理

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陸上自衛隊HPより引用)

92式地雷原処理車により、攻撃突撃のための通過口を一気に啓開する。

ロケット弾には、導爆策と呼ばれる爆薬を数珠つなぎにしたものが収納されており、その爆薬により敵の地雷原の地雷を誘爆させる。

当日は爆薬を1/4まで減らしているが、ミサイル発射と爆発シーンは大迫力

▽ 戦果拡張

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陸上自衛隊HPより引用)

シナリオのフィナーレを飾る戦果拡張シーン。

弾幕(写真に写っている白い煙のこと)を使用して、戦車やヘリなどが一斉に前進する姿は見ごたえがあります。

最後に

陸上自衛隊最大の実弾演習です!

日本国内だけでなく諸外国からも注目されているので、かなりの費用と訓練時間をかけています。

戦車の射撃や水陸両用車、機動戦闘車等、見どころは沢山あります。

しかし、忘れないでほしいのが、下の写真のように当日の演習には参加しないけれど、イベントの裏側で頑張ってくれている隊員たちのこと

 

観客の方々が座りやすいように整地をしたり、

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整地後にビニールシートを敷いたり、

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専門的なことをわかりやすく伝えるために、何度も文章を推敲し、アナウンスの練習をしたり・・・

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陸上自衛隊HPより引用)

 

チケットを入手できた方は、演習だけでなく、裏方の隊員たちが作り上げた会場や誘導係等をしている隊員たちの観客の方々への「思い」を感じながら楽しんでいただければと思います。(^o^)

 

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最後まで読んでいただきありがとうございます。

今日も皆様にとって良い一日となりますように!

 

元・国防男子 大吉

【必見!】元陸上自衛官が硫黄島(いおうとう)で❝先人たちの凄さ❞を思い知った話

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(出典:http://oyakochoco.jp/blog-entry-116.html?sp

 

おはようございます。

元・国防男子の大吉です。

 

現役自衛官の時に「硫黄島」に研修に行く機会がありました。

今日は、東京都の「硫黄島」に研修に行ったときの話

したいと思います。

 

ちなみに、日本に「硫黄島」は2つあります。

東京都と鹿児島県です。

 

そのうち、

東京都小笠原村の「硫黄島」は、「いおうとう」と呼び、

鹿児島県三島村の「硫黄島」は、「いおうじま」と呼びます。

↓ は、鹿児島県の硫黄島です。

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大東亜戦争の激戦地 硫黄島

硫黄島」は、東京都小笠原村に属し、

東京都23区から約1,200km南方に位置する小さな島。

南北約8km,東西約4km

そんな小さな島で大東亜戦争時の1945年2月19日から3月26日、

日米軍による大激戦が行われた。

 

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(出典:Wikipedia) 

 

日米の兵力比は、

日本軍守備部隊:約23,000名

米軍上陸部隊:約75,000名

 

米軍の上陸部隊は、日本の守備部隊の兵力の3倍以上

 

戦車や火砲等の装備品の比率も、

攻撃する側の米軍が圧倒的に有利

 

そんな圧倒的に不利な状況にもかかわらず、

この小さな島で1ヶ月以上も米軍の猛攻から持久したのです。

 

そして、

日米両軍の損耗は、

日本軍:20,933名

   (戦死:19,900名)

米 軍:28,686名

   (戦死:6,821名)

 

ミッドウェー海戦から日本軍が劣勢となってから、

米軍の損耗数が日本軍の損耗数を上回った唯一の戦闘

 

硫黄島の戦略的価値は、

太平洋に浮かぶ“不沈空母”としての高い価値があった。

硫黄島には、日本海軍が作った飛行場がある。

日米両軍にとって、この飛行場はとても戦略的価値の高いものであった。

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米軍は、硫黄島を奪取する前には、

硫黄島から南に約1,100kmにあるサイパン島から日本本土を爆撃していた。

爆撃機」の日本本土⇔サイパン島の往復は可能だったが、

爆撃機を護衛する「戦闘機」の往復は不可能だった。

そのため、日本本土を「爆撃機」により爆撃する際には、

日本軍の迎撃機を回避するために高高度爆撃に依存していたため、

爆撃の精度が低下していた。

長距離を飛行して爆撃しているのに思ったとおりの成果が出ない

 

しかし、米軍が硫黄島奪取することで、

戦闘機が爆撃機の護衛をすることが可能となり、

爆撃機を安全に日本本土まで飛行させて

爆撃することが可能となるのだ。

 

日本側としては、どうしてもそれを阻止したい。

 

このため、硫黄島は戦略的価値が非常に高い島となり、

硫黄島での戦闘は、

日米両軍にとって今後の戦局を左右する重要な戦闘

として位置づけられた。

 

硫黄島の戦いは、過去には映画にもなりましたね。

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硫黄島からの手紙』の中で、

天皇陛下万歳」と言って手榴弾集団自決のシーンは、

何とも言えない思いで見ました。

 

沖縄戦もそうですが、

当時は敵に殺されるよりは、自ら命を絶つという思想があったのですね。

 

そして、この戦闘の海兵隊の評価。

「この戦闘は、過去168年間の間に海兵隊が出会った最も苦しい戦闘の一つであった。太平洋戦争で戦った敵指揮官のなかで、栗林は最も勇猛であった。」

と、硫黄島上陸部隊指揮官のホランド・スミス海兵中将は述べている。 

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(出典:wikipedia

 

海兵隊にとっても、これまでになく熾烈で多くの教訓を残した戦闘だったようだ。

指揮幕僚課程の研修で硫黄島

現在、硫黄島へは自衛隊関係者や遺骨収集の人、米軍などの

限られた人しか立ち入りができない

 

防衛大の学生硫黄島研修があるのですが、

陸上自衛隊では指揮幕僚課程(CGS)高級技術課程(TAC)

幹部特修過程(FOC)の学生や不発弾処理の隊員

くらいしか行くことができません。

 

なので、防衛大卒の人でCGS等に行けば、2回は硫黄島に行くことができる。

 

僕は防衛大卒ではないため、今回が初めての硫黄島訪問。

 

初級幹部のころから、

大東亜戦争での「硫黄島の戦闘」についてはかなり勉強をしていて、

当時の戦闘の凄まじさを知っていたので、

実際にその場所に行けることはとても感銘を受けた。

 

1泊2日の硫黄島研修

研修時期は、10月中旬

本州では肌寒いが、硫黄島は蒸し暑い

まずは、海上自衛隊厚木基地からC-130輸送機硫黄島空港へ。

約2時間のフライト。

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南下するに連れて、航空機内の気温がどんどん上昇してくる・・・

 

暑い・・・

 

そして、窓からは洋上に硫黄島らしきものが見えてきた。

 

山になっているのは、硫黄島の象徴、摺鉢山(すりばちやま)。

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 硫黄島の飛行場に到着後、荷物を整えて早速研修へ。

滑走路下の洞窟の中に入ってみた

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今は立派な滑走路ができているが、

実は、この滑走路の下もアリの巣のように、

坑道が張り巡らされている

その全長は、なんと18km!(実際の計画では、28kmだった。)

 

昼間は非常に暑いので、

日が落ちてから航空機の滑走路上に入り口がある洞窟の中へ入った。

 

深さは、地下15m

夜間にもかかわらず、

地熱で洞窟の中はものすごく暑く

異常に湿度が高く、蒸し蒸しする

そして、洞窟内の経路はものすごく狭い

太っている人は通れないだろうという場所も・・・

 

これまで体験したことのない劣悪な環境・・・

 

そして、

案の定、霊感の強い同期は洞窟に入れなかった

 

教官もそのことをわかっているのか、

洞窟に入る前に学生たちに意思を確認をして、

入れそうな者だけで洞窟の中に入った

 

足場の悪い洞窟の中をロープを伝って降りていく。

 

途中、あまりにも洞窟の中が狭すぎて、不安になった。

学生は80名程度も狭い洞窟の中に入っている。

 

結構深くまで降りてきたけど大丈夫だろうか・・・

 

酸素は大丈夫だろうか・・・

硫黄を吸いすぎて死んだりしないだろうか・・・ 

 

ここで何人くらいの方が命を失ったんだろうか・・・

 

30分くらい洞窟の中を進んだところに、

 

洞窟の道の脇に人が3、4人位入れるスペースがあった。

 

教官曰く、ここは大隊長だ。

 

こんなに蒸し暑く、狭いところで執務をしていたのか・・・

 

大隊長室のそばには、水瓶らしきものがあった。

 

当時の硫黄島には、水道などない。

飲水も限られている。

 

一日の一人あたりの水の割当は、

たったの4.5リットル

飲料用で2リットル、炊事用で2リットル、洗面用で0.5リットル。

戦闘前は、水質不良による下痢が深刻な問題だった。

 

そのため、飲料水を巡っての争いが絶えなかったのだ。

だから、大隊長がその「生命の泉」を握っていた

部下にとっては、

大切な水を握られているということは酷だったかもしれないが、

任務を達成するために、指揮統率上必要だったことだった。

 

1時間ほど入っていたが、正直限界だった。

蒸し暑さ、狭さ、異様な匂い、洞窟の奥深くにいるという不安。

 

耐えられない・・・・

 

これが、夏場の昼間だったら・・・

と考えると、

たった1時間程度の洞窟内の研修だったが、

先人たちの凄さを身にしみて感じた

 

水、食料が限られている中、約半年もの間、

とんでもなく蒸し暑い中で、穴をひたすら掘り進める

そして、圧倒的な力を持つ米軍の侵攻に対して1ヶ月以上も持久

 

硫黄島の作戦は、

本土決戦準備のための時間稼ぎのための戦いだった。

つまり、そこで玉砕することはほぼ確実な戦いだった。

 

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少しでも、本土での決戦準備ができるように、

できる限り米軍を硫黄島に留めなければならなかった

 

そして、硫黄島の滑走路を奪取されることで、

米軍の日本本土への作戦を容易化してしまう。

 

なんとしてでも死守しなければならない。

日本のために、日本国民のために、家族のために・・・

そういう強い思いが、このとんでもない環境下での作戦を成立させたのだろう。

 

尋常ではない!

普通の人では発狂してしまう!

 

昔の人は、どれほど強靭な精神力を持っていたのだろうか。

鳴らないはずの携帯電話が鳴ってしまう

宿泊したのは、海上自衛隊の居室。

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(出典:https://4travel.jp/travelogue/10180810

 

その夜、信じられないことが起きた。

宿泊は、海上自衛隊の施設で4人一部屋。

 

外は、大雨が降り続いている。

 

夜中の2時頃

 

突然、同期の携帯電話が鳴った

 

目覚まし?

まだ外は真っ暗だけど、もう起きる時間?

 

時計を見るとまだ2時過ぎ・・・

 

同期がスマホ画面を見る僕を見て、声を掛けた。

 

「ねえ、ねえ、電話がかかってきたんだけど・・・」

非通知で。」

 

「え?? ここって携帯電話の電波飛んでるんだっけ?」

「俺のスマホの電波は圏外だけど・・」

 

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(出典:https://www.rikimarublog.com/entry/iphone-kengai

 

何で???」   (゚A゚;)ゴクリ

 「誰からの着信??

 

しばらくして、電話は切れた。

 

めちゃくちゃ怖えぇーー

 

((((;゚Д゚))))ガクガクブルブル

 

僕たちは、すぐにスマホの電源を切った

 

その後は、当然寝付けなかった・・・

 

世の中、不思議な事があるもんですね。 

海上自衛隊の基地から摺鉢山まで走ってみた

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2日目の朝、同期達と海上自衛隊の基地から硫黄島の象徴である

摺鉢山までランニングをした。

 

道中には、ギンネムの木がたくさん植えられていた。

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(出典:https://blog.goo.ne.jp/joe_and_mick/e/969ae6aced8e7cc51928c5f98df07675

 

これは、死体の腐敗した匂いを消すため

米軍が種を撒いたらしい。

硫黄島には、まだ遺骨が1万柱以上が残されている

 

そして、島のあちこちから硫黄が吹き出ていた。 

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硫黄島の象徴 摺鉢山に登ってみた

摺鉢山山頂には、慰霊碑があった。

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米軍側の慰霊碑

ここを訪れた米兵たちが、自分のネームタグや部隊章を供えて帰るのだ。

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硫黄島では、毎年日米合同慰霊祭が実施されている。

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(出典:https://www.sankei.com/photo/story/news/180324/sty1803240017-n1.html

 

摺鉢山からは、硫黄が吹き出ていた。

硫黄島の戦いでは、

この摺鉢山が変形するくらいの米軍の砲弾を受けた。

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摺鉢山頂から海上自衛隊の基地方向を見渡す。

海上には、未だに沈没した船舶の一部が顔を出していた。

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そして、

砲陣地の景況。

コンクリートで陣地が構築されているのは、海軍が作った砲陣地。

当時は、コンクリートの使用法を巡って陸軍と海軍の争いが

あった。

でも、米軍が侵攻してきた海上側からはコンクリートは暴露し、

著名な目標となり早々に撃破されることになった。

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砲が凹んでいるのは、米軍の砲弾が命中した跡

生々しいですね・・・・

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当時の撃破された戦車は、まだそのまま残されていた。

戦車は側面と後方部分が脆弱なので、

側面をコンクリートで補強しているのがわかる。

 

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今の90戦車や10戦車と比べると、おもちゃみたいですね。

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洞窟内には、まだ生々しい当時の遺品が残っていた

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小笠原兵団長 栗林中将(大将)

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【栗林中将 決別の辞】 

戦局最後の関頭に直面せり
敵来攻以来麾下将兵の敢闘は真に鬼神を哭しむるものあり

特に想像を越えたる量的優勢を以てす
陸海空よりの攻撃に対し 
宛然徒手空拳を以て克く健闘を続けたるは
小職自ら聊カ悦びとする所なり

然れども 飽くなき敵の猛攻に相次で斃れ 為に御期待に反し 
此の要地を敵手に委ぬる外なきに至りしは
小職の誠に恐懼に堪えざる所にして 幾重にも御詫申上ぐ

今や弾丸尽き水涸れ 全員反撃し最後の敢闘を行はんとするに方り
熟々皇恩を思い粉骨砕身も亦悔いず

特ニ本島を奪還せざる限り皇土永遠に安からざるに思い至り
縦い魂魄となるも誓って皇軍の捲土重来の魁たらんことを期す
 
茲に最後の関頭に立ち重ねて衷情を披瀝すると共に 
只管皇国の必勝と安泰とを祈念しつつ
永えに御別れ申し上ぐ

尚父島母島等に就ては
同地麾下将兵如何なる敵の攻撃をも
断固破摧し得るを確信するも何卒宜しく申上ぐ
終りに左記駄作御笑覧に供す
何卒玉斧を乞う


国の為重き努を果し得で 矢弾尽き果て散るぞ悲しき

仇討たで野辺には朽ちじ吾は又 七度生れて矛を執らむぞ

醜草の島に蔓る其の時の 皇国の行手一途に思ふ

 

 

米国に留学していた栗林中将。

大東亜戦争は、勝てない戦争ということは見抜いていた。

しかし、日本の方針として決まった以上は軍人として従わなければならない。

 

そして、小笠原兵団長への任命。

この地で玉砕することも理解していた。

 

圧倒的な戦闘力を誇る米軍から、如何に長期間持久するか・・・

過酷な環境下で、兵士たちをどのように導いていくのか・・・

 

日本人として、自衛官として、

この戦闘や栗林中将から学ぶものは非常に多かった。

 

そして、栗林中将の『決別の辞』からは、

祖国を思いながら無念にも亡くなっていった先人たちの

将来の日本の繁栄や安寧への強い願いが感じられた。

今の日本の平和は、多くの先人達の努力と犠牲によって

成り立っているということをこの研修を通じて改めて感じました。

 

8月15日は、終戦の日ですね。

この機会に、今一度、過去の先人たちの思いを感じてみませんか?

 

僕のオススメは、↓ です。

自衛官、これから自衛官を目指すあなたにとっては絶対に知っておくべき教養です。

そして、自衛官とは無関係でも日本人として知っておくべき知識だとも思います。

 

硫黄島からの手紙 [DVD]

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英雄なき島―硫黄島戦生き残り元海軍中尉の証言 (光人社NF文庫)

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散るぞ悲しき―硫黄島総指揮官・栗林忠道 (新潮文庫)

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最後まで読んでくれてありがとうございます。

今日も皆様にとって良い一日となりますように!

 

元・国防男子 大吉

 

 

【初体験】ドローンスクールの無料体験説明会に参加してみた

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(出典:DJIのHPより引用)

 

こんにちは。

元・国防男子の大吉です。

 

先日、ドローンスクールの無料体験説明会に参加してきました。

 

ドローンスクールの無料体験に参加した理由は、

色々な場所に出かけて空撮映像を撮影したい!!

と思ったから。

普通の動画と違った視点で景色を見れるのが魅力的ですよね。

 

そして、何かビジネスに結び付けられないか模索中。

 

初めて操作したけど、結構難しかった・・・

 

 

1 ドローン説明体験会へ参加

僕が参加したのは、

神奈川県座間市にある「都南自動車教習所」が

運営しているドローンスクール。

 

小田急相武台前駅から徒歩3分。

 

自動車教習所がドローンスクールを運営してるって、珍しいですよね。

自動車教習所の教官達がライセンスを取得して教えているそうです。

 

ドローンスクールの受付はこんな感じ。

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そして、教室はこんな感じ。

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教室内にはネットが張られていて、ドローンを飛ばせるスペースも!

教室内でドローンの操縦体験ができました。

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体験会は、最大3名の少人数制だったので、

ドローンの操縦時間は3名で1時間以上確保できました。

 

2時間の無料体験説明会でしたが、

ドローン操作はものすごく集中力を使うので、結構疲れました・・・

2 ドローンで何ができるの?

空 撮

(出典:https://www.eurasia.co.jp/attraction/feature/drone

 

よく、テレビやYouTubeなどでドローンの空撮映像を見ますよね?

きれいで印象的な空撮写真や動画が撮影できる

防災・災害

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(出典:http://dronesmedia.jp/?p=4522

 

災害前の調査や監視に活用することで、

  • 危険な場所へ作業員等を派遣する必要がなくなり、その継続的な監視も可能。
  • 地震などで倒壊した建物や土砂崩れの状況を迅速に確認でき、陸上自衛隊や救急車などの到着も早めることができる。
  • 行方不明者の捜索・救助や森林火災などで人が近づけない場所での活動に役立つ

農林水産

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(出典:https://newswitch.jp/p/11605

 

  • 農薬の空中散布が可能
  • 上空から収穫時期の農作物の色づき等をより正確に知ることが可能

セキュリティ

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(出典:https://smartdrivemagazine.jp/technology/drone-home-security/

  • 監視カメラとしての役割
  • 老人の徘徊や子供の見守りに役立つ
  • 倉庫内の監視や在庫管理、設備点検など、今まで時間と労力がかかっていた作業も素早く行うことが可能

測 量

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(出典:https://bim-japan.com/drone.html

 

街全体を俯瞰で見て、迅速なデータを取得し、3次元地図を今までより簡単に作成することが可能

インフラ維持・管理

中æ¥æ¬ãã¤ã¦ã§ã¤ã»ã¨ã³ã¸ãã¢ãªã³ã°æ±äº¬ãéçºããæ©æ¢ç¹æ¤ã®ããã®ãã­ã¼ã³ï¼ç¸æ¨¡åå¸ï¼

(出典:https://response.jp/article/2017/01/26/289305.html

 

風力タービンや橋脚・橋梁、ソーラーパネルの点検・検査が容易

 

この無料体験説明会で初めて知ったのですが、

すでにドローンは色々な場面で使われているのですね。

僕は、空撮、防衛や災害現場での使用くらいしか知らなかったのですが・・・

 

特に、災害の現場ではものすごく重宝すると思います。

陸上自衛隊の偵察部隊が入っていけない地域でも容易に状況を把握できます。

自衛隊には航空機を活用した航空機偵察能力もありますが、

もっと軽易にドローンを飛ばして被災状況や使用可能経路

知ることができれば、人員の救助や瓦礫の除去等も迅速に行えるでしょう。

3 シュミレーション体験

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体験会では、実際のドローンを飛ばす前にパソコン上で

シミュレーションを使用してコントローラー操作に慣れます。

 

一番簡単なモードでも、かなりの回数の墜落をさせてしまいました。

これまでラジコンすらも殆どやったことが無かったので難しかったです。

 

4 ドローン飛行体験

4−1.HUBSAN

1ä¸åå°ã§è²·ãããªã¹ã¹ã¡ãã­ã¼ã³Hubsan X4HD

(出典:GForceのHPより引用)

 

まずは、HUBSANという小型のドローンを体験。

本製品の仕様は、以下の通り。

 

寸法 83 × 84 × 33 (mm)(ローターを除く)
重量 51g
メインローター 55mm
バッテリー LiPo 3.7V 380mAh
充電時間 40分(状況により異なります) 
フライト可能時間 およそ6分(フライト状況による) 
送信機電波到達範囲 およそ40m

 

フライト可能時間は、約6分なのですぐに電池が切れてしまう。

そして、満充電には40分の時間が必要なので、複数の電池が必要になる。

 

ちなみに使用したHUBSANは、GPS機能が付いていないもの。

GPS機能が付いていなければ、

飛行が安定しないので、操縦がとてもむずかしい!!

 

室内で操作をしたが、エアコンの風に大きく影響を受けてしまい、

空中でホバリングするのがとても難しかった。

そして、障害物を回避する機能もないため、

防護ネットに衝突して墜落ばかり・・・

 

でも、ドローンの操縦能力を高めるためには、

今回使用したHUBSANのような安価なドローンで、

GPS機能に頼らずに練習したほうが良いと思いました。

4−2.SPARK

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(出典:DJIのHPより引用)

 

次に体験したものは、「SPARK」というドローン。

 

製品仕様は、以下の通り。

カメラ性能
カメラ搭載有無 標準 FPV 
動画解像度 1920x1080 RAW撮影  
本体性能
飛行時間 16 分 充電時間 80 分
操作可能距離   スマホ/タブレット対応
対応OS iOS 9.0以降/Android 4.4以降 Wi-Fi内蔵
障害物検知 自動追尾機能
自動帰還 ジェスチャーコントロール
GPS GLONASS
折りたたみ      
サイズ・重量
全長x全幅x全高 143x143x55 mm 重量 300g
カラー
カラー アルペンホワイト
スカイブルー
サンライズイエロー
メドウグリーン
ラヴァレッド
   

 (価格.comHPより引用)

 

このドローンはHUBSANと違って高価なため、

初心者の僕たちにはあまり触らせてもらえなかった。

 

GPS機能がついているものなので、

GPS機能がないものとの操縦の容易性について比較

することができた。

 

操作をしてみての感想は、GPS機能があれば、めちゃくちゃ安定する!

GPS機能を持たないHUBSANの操縦でかなり苦労したので、

その安定感には、とても驚きました。

 

障害物を回避する機能も付いているため、初心者には安心!

 

5 陸上自衛隊のドローン

ちなみに、

現在、陸上自衛隊で使用しているドローンはこの2つ。

5−1.新無人偵察機システム

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(出典:blogs.yahoo.co.jp

 

情報科部隊の無人偵察機隊、

高射特科や野戦特科の観測部隊が使用する無人偵察機。 

  • 重量は、275kg
  • 飛行速度は、約130km/h
  • 実用上昇高度は、2,500m
  • プログラムによる完全自律飛行ができ、リアルタムで画像の伝送が可能。
  • 航続距離は、50km以上あり航続時間は3時間以上。
  • 自爆装置が装着されており、敵に捕獲されたときには自爆して、秘匿性を確保

 

自爆機能がついているのは、軍用ならではのものですね。

 

5−2.近距離用UAV

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(出典:http://yoyotoru.photo-web.cc/m_4046.html

 

普通科部隊が前方の敵情や地形を解明するために

使用するドローン。

手投げ式ドローンで、重量も約4kgと軽い。

偵察可能距離は、数キロ。


6 最後に

何でもそうですが、やはり練習をしっかりやってから

本番に臨まないとだめですね。

 

早速ドローンを買おう思っていたのですが、

一瞬で墜落させて数十万円を無駄にしてしまうことになるのが明らか

なので思いとどまりました。

 

なので、

まずは「飛行申請ライセンス取得コース」を取得してみようと思います。

4日間のコースで、座学が1日間実技が3日間

使用するドローンは、PHANTOM(2、4Pro、4Pro+)

 

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ライセンス取得をしていれば、

禁止区域を飛行する場合に書類申請だけで飛行が可能なのですが、

 

ライセンスが無ければ、

国土交通省に行って実技審査を受けなければならないそうです。

 

料金は、

4日間のコースで受講料は25万円で、

検定料と認定料で約10万円・・・

ドローンも購入すると全部で50万円くらい・・・

 

ちょっと痛いけど、

50万円以上の価値があることを信じて・・・

 

 

最後まで読んでいただきありがとうございます。

今日も皆様にとって良い一日となりますように!

 

元・国防男子 大吉 

 

【元新隊員教育の区隊長が語る】 〜陸上自衛隊の新隊員教育もゆとり教育??〜

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陸上自衛隊公式HPより引用)

 

おはようございます。

元・国防男子の大吉です。

 

先日、陸上自衛隊にいたゲイの隊員の話をしたのですが、

その時にお話したM1士。

とにかく、

力が無さ過ぎて小銃の据銃さえできなかった・・・

結局、部隊に配属されたが、部隊の訓練について行けずに

すぐに退職してしまう。

そのため、部隊の方でも忙しい業務の中、そちらの方の対応に追われて、

更に忙しくなってしまう。

部隊としても困ってしまうんです。

 

future-oriented.hatenablog.com

 

今日は、そんな新隊員の陸上自衛隊への入り口の教育である、

一般陸曹候補生の区隊長として勤務したときの経験について話したいと思います。

この記事は、

にはオススメの記事です!

 

 

一般陸曹候補生の前期教育の区隊長を担当

 部隊配属後、臨時勤務で新隊員教育の区隊長へ

幹部候補生学校を卒業後、部隊に配属されて約2年が経過した時、

 

中隊長から一般陸曹候補生の区隊長の話が下りてきた。

 

「おい、大吉3尉。武山駐屯地で一般陸曹候補生の第1期生の区隊長の枠がきてるんだけど、興味あるか? 3ヶ月間の臨時勤務。」

 

「えっ、新隊員教育の区隊長をできるんですか!? 是非、お願いします!」

 

まさか、

憧れの区隊長という役職ができるとは思っていなかったので、即答

本当にラッキーだった。

 

神奈川県横須賀市の武山駐屯地の第117教育大隊

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(出典:Wikipedia

 

僕が参加した教育隊は、神奈川県横須賀市の武山駐屯地にある

第117教育大隊の第339共通教育中隊。

第117教育大隊は、一般曹候補生予備自衛官補の教育

を担当する部隊で、

第339共通教育中隊は、一般曹候補生の教育を担当する。

 

武山駐屯地には、第117教育大隊のほか、

武山駐屯地は海に面しており、気候も温暖。

近傍には三崎や葉山等の風光明媚な場所があり、

教育には最高の環境

 

ただ、問題があるとすれば、

霊感が強い人にはちょっと辛い駐屯地ということ・・・

 

僕は霊感が全く無いので経験をしたことはないのだが、

夜中に寝ているときに誰かに足を掴まれたとか、

兵隊がザッザッと歩く軍靴の音が真夜に聞こえる

とかいう噂をよく聞く。

 

僕の区隊にいた新隊員にも霊感が強い子がいて、

「区隊長、今、外柵のところでタバコを吸っている少年が2人いますよ。」

「えっ、何処に?」

「ほら、あそこですよ!」

僕には全然見えなかったのだが・・・・

 

かつて、宜保愛子(ぎぼあいこ)という霊能力者がいた。

 

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 (出典:http://wishcomestrue.ti-da.net

 

武山駐屯地の近傍にある、霊が出るという廃墟のホテルに取材で行ったらしいが、

そこよりも武山駐屯地のほうがヤバイということを言われていた。

「あそこには、絶対に入れない。」と・・・

 

実は、武山駐屯地に所在する少年工科学校(高等工科学校の前身)で、

50年程前に訓練事故が発生している。

武山駐屯地内にあった訓練用の池で渡河訓練中に生徒が溺れ、

それを助けようとした生徒が次々に溺れてしまった。

結果、合計13名もの生徒が溺れて亡くなっているのだ。

それ以来、

上記のような不可解な出来事頻繁に起こっているらしい・・・

実際、高等工科学校には何度もお祓いに来てもらっているらしいが、

未だに成仏されていないようなのだ・・・

 

教育期間中は、区隊長も新隊員と同じ施設で寝泊まりをするのだが、

僕は一度もそういう経験をしたことがない。

 

霊感がない人にとっては環境がよく過ごしやすい駐屯地かもしれないが、

霊感が強い人にとっては、

毎晩の就寝後が訓練より大変かもしれない。

新隊員の区隊長・助教は、おもしろい!

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陸上自衛隊公式HPより引用)

 もし、幹部自衛官のあなたや陸曹のあなたに新隊員教育の区隊長

助教の臨時勤務の話があれば、是非やって欲しい!

 

殆どの新隊員が、高校や大学を卒業してすぐに入隊した隊員。

中には、2回めの入隊という隊員もいたが、

陸上自衛隊のことを全く知らない隊員ばかり

新隊員の真っ白いキャンバスに自分の色で絵を描ける

だから、その責任はとても大きいのだが、

本当にやり甲斐のある教育であり、新隊員から学ぶことも多い。

 

僕が入隊後の幹部候補生学校でそうだったように、

区隊長や付教官は自衛隊に入隊して初めての、一番関わってくれた教官たち。

教育中の教官の姿や信念などは、

陸上自衛隊人生の中でとても大きな影響を与える

そして、一生忘れることはない

初めての入隊者にとっては、いつまで経っても区隊長であり、助教であり、

憧れの尊敬する存在なのだ。

上級部隊からの馬鹿げたお達し

新隊員教育でもゆとり教育に?

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陸上自衛隊公式HPより引用)

 

区隊長として勤務をしていたとき、上級部隊から

  •  ゆとり教育世代の新隊員に厳しい訓練をさせるとすぐに辞めてしまうから、厳しい訓練をさせるな
  •  とにかく、新隊員の前期教育は楽しんでもらえ。
  •  教育中のハイポートや泥水の中を通過するような戦闘訓練は禁止

このことを聞いたとき、開いた口が塞がらなかった。

  • 陸上自衛隊の教育でもゆとり教育ですか??
  • 国を守る隊員を育成する入り口の教育ですよ!!
  • 中学校や高校の教育ではないんですよ!
  • 国民の税金から給料を頂いているんですよ!

あまりに馬鹿げた上級部隊からの指示に本当に失望してしまった。

教育隊長に見つかり、こっぴどく怒られる

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陸上自衛隊公式HPより引用)

 

当時、3等陸尉で若かった僕は、

その上級部隊の指示をあまりにも馬鹿げていると思い隊舎から離れた訓練場で、

ハイポートをやらせていた。

訓練だから、きつくて当たり前

きつくない訓練は、訓練ではない

 

ん??

ハイポートをやらせている時、前方から教育隊長(第117教育大隊の長)らしい人が歩いてくる・・・

なんか嫌な予感・・・

 

 

嫌な予感的中!!

 

「コラー!何やってんだ!!」

「ハイポートはやるなって言われているだろう!貴様、何でやってるんだー!」

 

その場は、新隊員たちの前でこっぴどく怒られて終わった。

新隊員の前で指導しなくても・・・

でも僕は止めなかった。なぜなら・・・

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陸上自衛隊公式HPより引用)

 

でも、そんなことでめげる僕ではない。

 

ある戦闘訓練課目の当日。

前日に大雨が降ったため、戦闘訓練場は水たまりばかり・・・

 

「上級部隊から指示されたように泥水の中での戦闘訓練を禁止したら、

訓練なんかできないじゃないか。」

 

仕方ない・・・

 

当初の訓練展示の時、

区隊長自らが泥水の中で訓練展示をしてやった。

 

陸上自衛隊の訓練に泥水なんか関係ないんだよ!

こうやってやるんだ。

 

それを見ていた新隊員は、初めは、

「えっ?ここで本当にやるの??」という顔をして

僕の展示を見ていたが、

区隊長が泥水に入ってやっているのに、

自分たちがやらない訳にはいかない

意外にも喜んで、楽しそうに泥水の中で訓練をしてくれた。

そして訓練終了後、大声で隊舎まで区隊全員で揃ってのハイポート

 

迷彩服はドロドロ、戦闘靴の中にも泥水が入り、

訓練後の小銃や装具の手入れは大変だった・・・

でも、これでこそ陸上自衛隊の訓練でしょ!

新隊員達が意外と楽しそうに?泥水に入って訓練している姿をみて、

やってよかったと思った。

 

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陸上自衛隊公式HPより引用)

 

僕は、幹部候補生学校での教育や部隊での訓練で、悪天候での訓練こそ色々な学びがあるし成長するということを学んでいた。

戦場は、心地よい小春日和ばかりではないんです。

 

過去の先人達は、インパールガダルカナル硫黄島等・・・

想像を絶する様な環境下で命を掛けて戦われたんです。

 

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 硫黄島に研修で行ったときに撮影した写真

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きつい訓練だからやり甲斐があって、印象に残り

終わった後の達成感を味わえる。

そして、区隊の団結力も高まる。

きつくない訓練なんてやる意味がないんです。

変な優しさは、隊員のためにならない。 

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陸上自衛隊公式HPより引用)

 

この3ヶ月間は泣くほどきつくても、卒業する時には笑顔で卒業させる。

僕にはこの信念があったから、

新隊員には訓練も体力錬成も勉強も徹底的に全力でやらせた。

新隊員教育最後の筆記の修了試験では模擬問題を作成して、

100点満点を取得できなければ、

完璧にできるまで消灯延期をさせて

何度も同じ問題をやらせた。

勉強が苦手な隊員もいたが、

陸上自衛隊のすべての筆記試験は暗記をすればいいだけ

「妥協をせずにやるかやらないか」で将来が決まってしまう

隊員の職種や任地選択の際には、

成績が良くなければ希望職種や任地等が競合した場合に負けてしまうから。

成績は、悪いより良いほうが絶対的に有利

 

自分の教育が甘かったせいで、

自分が妥協をしてしまったせいで、

新隊員たちのこれからの陸上自衛隊生活の大きな選択

負の影響を及ぼしてしまうことが嫌だったから、

自分も全力でやったし新隊員にも全力でやらせた。

最後に

今までも、上級部隊の指示に反した教育をしたことは正しかったと思っている。

何事も初めが肝心

新隊員教育で陸上自衛隊は楽勝」というイメージを持ったら、

部隊に配属された後の厳しい訓練について行けなくなる。

部隊と新隊員教育との大きなギャップを感じて、

退職する羽目になってしまったM1士のような隊員を

生み出してしまうかもしれない。

そうすれば、部隊の方にも迷惑がかかってしまう。

 

新隊員を辞めさせないために、訓練の厳しさを緩めてしまう・・・

上級部隊としては、新隊員に教育中に辞められてしまうと自分たちの立場、

評価が・・・・というのが本音のところだったと思う。

結局、

変な甘やかしは、隊員のためにも部隊のためにならないのだ。

 

以上が、僕が新隊員の区隊長として勤務をして学んだことでした。

 

最後まで読んでくれてありがとうございます。

今日も皆様にとって良い一日となりますように!

 

元・国防男子 大吉

陸上自衛隊幹部候補生学校での生活 〜実弾の手榴弾投擲訓練〜

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おはようございます。

元・国防男子の大吉です。

 

今日も幹部候補生学校シリーズで、「手榴弾投擲」についてお伝えします。

幹部候補生学校では「手榴弾投擲」という課目があり、

実際に演習場の手榴弾投擲場に行って実弾の手榴弾を投擲するんです。 

 

ちなみに、陸上自衛隊の手榴弾投擲要領はこんな感じです。

YouTubeで面白い動画を発見しました。

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元自衛隊員が手榴弾の投げ方を紹介

 

 

陸上自衛隊での手榴弾投擲訓練

 実弾の手榴弾を使用する基本教育は、幹部候補生学校での教育のみ

新隊員教育では模擬弾投擲だけで

実弾訓練はやりません。

 

ちなみに、僕が幹部候補生学校で使用した手榴弾は、パイナップル式のもの。

 

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(出典:wikipedia:https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/2/20/MkII_07.JPG

 

幹部候補生学校で使用する手榴弾は、安全ピンを抜いて、

投擲して(安全レバーが外れて)から◯秒で爆発する。

爆発をしたら、側面の鉄の部分が破裂し、

その破片で敵を殺傷するものだ。

 

幹部は部隊に配属された後、実際に隊員に教育をしたり、

榴弾投擲の訓練を計画しなければならないため、

実際に実弾の手榴弾を投擲してその威力や特性を確認する。

 

職種によっては、手榴弾を投擲するのは最初で最後の経験となるだろう。

(恐らく、手榴弾投擲をやるのは普通科職種くらい。)

 

榴弾投擲を行う際に重要となるのが、以前の体力検定Ⅱの科目であった

ソフトボール投げ」

(現在、体力検定の科目にソフトボール投げの種目は無くなってしまった。)

球技をあまりしたことのない人にとってはソフトボール投げが苦手な人が多く、

体力検定ではいつも「不合格」だった候補生が沢山いた。

ボール投げが苦手な人たちにとっては、実弾の手榴弾投擲は危険!!

 

榴弾投擲も実弾を使用する前に、投擲所での規則、

投擲の要領や模擬弾を使用した投擲を何度も練習するのだが・・・

ボール投げもそうだけど、

小さい頃から野球等のボールを投げる球技をしていなければ、

飛距離は短期間では伸びるものではない

投擲のフォームや体の使い方から矯正していかなければならないのだ。

だから、何度練習しても目標へ向かって

上手に投擲できない人もいる。

 

過去に幹部候補生学校で発生した悲しい事故

過去に幹部候補生学校では、榴弾投擲訓練で悲しい事故

が発生している。

 

実際の手榴弾投擲訓練の際には、それぞれの候補生の投擲位置に教官達が

付き添っている。

つまり、1人の候補生に対して、教官が1名ずつ付く。

事故防止のため、教官が候補生の投擲場での動作投擲要領

安全管理上しっかりと確認しているのだ。

 

その教官と投擲をする候補生のいる場所は壕になっており、

投擲をする方向には腰の高さくらいの土の壁がある。

投擲する際にはその壁を超えて投げられれば、

自分の所に鉄の破片が飛んできて負傷することはないのだが・・・

 

しかし、過去には候補生が手を滑らせて

榴弾を足元に落としてしまったことがあった。

 

緊張のためか、手榴弾がうまく前に飛ばず、

自分と教官のいる壕の中に転げ落ちてしまったのだ。

 

  • 安全レバーが外れて、◯秒後に爆発する・・・
  • 拾いあげて前方に投げても時間がない・・・
  • このままでは、爆発して候補生もろとも死んでしまう・・・

 

 ((((;゚Д゚))))ガクガクブルブル

 

そう思った教官は候補生を守るため、足元に落ちた手榴弾の上に

咄嗟に覆いかぶさって候補生を守った

その教官は、残念ながらその訓練事故で亡くなってしまったのだ。

昭和33年5月に起こった悲しい事故。

 

過去に実際に発生したこの事故について、

榴弾投擲の訓練をする前に教官から聞かされ、

本当に危険な訓練をやっているということを再認識させられた。

 

当時の僕たちにとってすごく衝撃的な話だったし、

自分の命を犠牲にして自分の候補生を守った

勇気ある教官ものすごく尊敬した。

 

あなたは、部下を守るために自分の命を犠牲にすることはできるだろうか?

 

榴弾投擲訓練当日

榴弾の破片効果を実感

前述したとおり、幹部候補生学校で使用する手榴弾は、

爆発時の榴弾の破片効果によって敵を殺傷するもの。

 

投擲場では、鉄の破片が飛び散るため大変危険

よって、投擲をしないすべての候補生は、投擲場から200mくらい離隔し、土嚢を何重にも積み重ねて作られた退避壕で待機する。

その退避壕には、分厚いガラスの監視窓が設置されており、

そこから投擲の状況を監視できるのだ。

 その分厚いガラスの部分には手榴弾の破片が当たったのか、

少しヒビが入っていて、破片の殺傷力の強さを物語っていた。

退避壕に入って待機していても、「ヒューン、ヒューン」

鉄の破片が空気を切る音がよく聞こえた。

200mくらい離れていても、飛んでくるのは鉄の破片

当たったら大怪我をする。  

 歴史は繰り返す?? 

榴弾投擲をする際、

次に投擲する組は、これから投擲する組のすぐ後方の退避壕で待機をする。

よって、前の組が投擲する様子を見ることができる。

 

前の組が投擲している時に、大変なことが起こりそうになった。

 

隣の区隊のK候補生

運動系は基本的に苦手らしい

もちろん、体力検定でのソフトボール投げもボールが前に飛ばない。

投げたボールは、斜め前方向へ飛んでいくタイプ

 

そんなK候補生の手榴弾投擲本番。

 

投擲に不安があるのか、いつになく緊張していたようだ。

 

投擲位置に着いた後、教官の号令が響く。

「投擲準備」

 

「ピン抜け!」

 

「投げ!」

 

あっーーーーーー!!!゚(✽ ゚д゚ ✽)

 

 

何と!!

K候補生は手を滑らせて

榴弾を自分の足元に落としてしまったのだ。

 

過去の手榴弾投擲事故のことが思い出される・・・

 

また、同じ悲しい事故が起こってしまうのだろうか・・・

 

K候補生に付いていた教官が、

慌てて足元に落ちた手榴弾を拾い上げ前方に投げた

 

 

ドーン!

 

 

間一髪・・・

助かった・・・ ゚ε-(´∀`*)ホッ

 

あと1秒遅かったら、2名とも亡くなっていたかもしれない。

壕の中には「手榴弾口」といって、手榴弾を投げ損じてしまった場合に、

できるだけ被害を軽減するための工夫はされているが・・・

所詮、穴を少し掘った程度のもの。

その手榴弾口に手榴弾を投げ入れても、

大怪我は免れなかっただろう。

 

その場にいた教官は、当然大激怒  ゚ヽ(`Д´#)ノ ムキー!!

候補生諸共亡くなっていた可能性もあった。

 

「何やってんだー!殺す気か!!」

 

もし、教官が手榴弾を拾い上げるのを遅れてしまっていたら・・・・

 

ゾッとした・・・

そして自分の投擲の番がやってきた

そんな危険な出来事が目の前で起こった後、ついに自分が投擲する番。

 

まずは、榴弾を受領して、手榴弾点検

外観にヒビが入っていないか等を確認する。

訓練では事故を防止するため、

榴弾の保持要領もしっかりと統制されている。

 

初めて手にした本物の手榴弾

昔、野球もバスケもやっていたので、投擲は問題ない

 

でも、本物の手榴弾

訓練で使用した模擬手榴弾より、重く感じる

 

緊張する・・・・

 

練習で投げたものとは違って、

本当に爆発して破片が飛び散る・・・

過去には死んだ人もいる。

大丈夫だろうか・・・

変な風に爆発をしないだろうか・・・

同期は、ちゃんと投げてくれるだろうか・・・

もし、何かの間違いが起こって、

ピンを抜いた瞬間爆発したら・・・

 

不安ばかりが頭を過る

 

冷静にならなければ・・・・

落ち着け、俺。

大丈夫だ。

 

教官の号令で10名が一斉に投げる。

 

「目標確認!」

 

「投擲準備!」 

 

「ピン抜け!」

 

「投げ!」

 

一斉に目標をめがけて投擲する。

 

数秒後・・・・

 

ボーン! ボーン! ボーン! ボーン!・・・・・

 

次々に榴弾が爆発していく。

 

すべての手榴弾が爆発したのが確認できたら、終了。

 

ふー、何事もなく無事に終わった。

よかった・・・゚ε-(´∀`*)ホッ

 

これを考えると、不発弾処理をやっている隊員たちは凄いですよね!

尊敬します!

 

最後に

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陸上自衛隊第6師団公式HPより引用)

 

幹部候補生学校では、

この他にも「LAM(ラム)」と呼ばれる

110mm個人携帯対戦車弾の実弾射撃も実施する。

この実弾射撃も、部隊では普通科隊員くらいしか訓練しない。

普通科隊員以外は、幹部候補生学校での射撃が最初で最後となるのだ。

 

幹部候補生学校では危険な訓練もするが、

部隊で幹部自衛官として隊員に教育したり、

訓練計画を作成するためのもの。

こういう教育を受けられるのは、幹部候補生の特権です!

 

これから、幹部候補生学校へ入校する人は楽しみにしておいてくださいね! 

 

 

最後まで読んでくれてありがとうございます。

今日も皆様にとって良い一日となりますように!

 

元・国防男子 大吉