元・陸上幹部自衛官の13年間の奮闘記

ダメダメ大学生だった元陸上自衛官の13年間の自衛隊での経験や教訓を共有するブログ

【必見!!】経験者が思う陸上自衛隊幹部候補生の6つの魅力

幹部候補生学校HPより引用)

 

おはようございます。

元・国防男子の「大吉」です。

 

今日は、「陸上自衛隊幹部候補生の魅力」についてお伝えしたいと思います。

 

今回の記事は、

  • これから陸自の幹部候補生試験を受けたい!
  • 一般幹部候補生試験に合格したけど、他の職業と迷っている。
  • 将来、幹部自衛官になりたい!
  • 幹部自衛官になれば、どんなメリットがあるのか知りたい。

という人に、おすすめの記事ですので、是非読んでくださいね。

 

僕が陸上自衛隊の幹部として13年間勤務して、

魅力的だなと思うのは以下の6つ。

 

1 給料を貰いながら、自分を大きく成長させることができること

優秀な教官陣による最高の教育

僕が思うに、陸上自衛隊幹部候補生学校での教育は、

これからリーダーを目指す人にとっては、最高の教育

 

先回の記事でもお話したが、教官達は、陸上自衛隊幹部候補生学校

トップクラスで卒業した戦闘職種のエリート達

教育内容も、多くの幹部を育成して来る中で改善に改善を重ねられた

洗練されたものだ。

 

あなたは、そんな素晴らしい教官達により、洗練されたリーダー育成のための

教育を受けることができるのだ。

しかも、給料を貰いながら特別国家公務員としての

様々なメリットを得ながら!

 

ご存知かもしれないが、松下政経塾の塾生をはじめとする、

多くの民間企業が陸上自衛隊へ新入社員の教育を委託しているほど、

陸上自衛隊の教育は、厳しい訓練を通じて本当に多くのことを学べるのだ。

 

僕も現役時代は、民間企業の新入社員の教育に携わったことがあるが、

たった1週間ほどの教育にも拘らず、

終了時にはを流して帰って行く人も多くいた。

たったの1週間でも、自分の「」の成長を感じることができる教育なのだ。

 

個人的には、幹部候補生学校の教育は、お金を払ってでも、

受けた方が良いくらい価値のある教育だと思います。

 

どんなことを学ぶことができるのか?

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陸上自衛隊HPより引用)

 

教育の範囲は幅広く、安全保障の基礎から陸上自衛官としての基礎である

「気をつけ」や「敬礼」などの動作まで。

 

陸上自衛隊幹部候補生学校の公式HPでは、以下の内容が教育課目として

列挙されている。

  • 戦闘戦技訓練:戦闘行動及び部隊の指揮法に関する教育
  • 戦 術:部隊指揮の考え方等に関する戦術教育
  • 防衛基礎学自衛隊の装備等に関する基礎理論
  • 戦 史:戦史概論・作戦戦闘史に関する教育
  • 服務・防衛教養:隊員指導の基本的事項や防衛に関する法規・国際法、英語等の防衛教養
  • 体 育:体力・気力及びチームワークを錬成する体育

 

大学生の時って、アルバイトをしてどこに旅行しようかなとか、

稼いだお金でどんな服を買おうかなというように、

基本的に考えるのは自分のことじゃないですか?

もしかしたら、すでに世界平和とか国防について、

本気で考えてきた人もいるかもしれませんが、そういう人はごく少数でしょう。

 

これまで、「国家」や「国民」のことに関して関心を寄せる機会が

殆ど無かったあなたが、「特別国家公務員」として、日本の安全保障環境や国防、

災害派遣等の教育を通じて、国家や国民のことまでも考えるようになる。

 

すごく崇高なことだと思いますし、非常に魅力的な職業ですよね!

 

そして、あなたは、階級が上がるに連れてより重要なポジションでより

重要な職務に就き、陸上自衛隊の中核となって国防を担っていく。

 

そのための基礎的な事項を学ぶところが、幹部候補生学校

 

無駄な教育内容は一切ありません!

 

社会人・自衛官としての基礎が習慣化

 

幹部候補生学校では、毎日、アイロンがけ、靴磨き、ベッドメイキング、

清掃、整理整頓、体力錬成等をする。徹底的に、全力で。

 

しかも、教官達や同期がいるので、誤魔化せないし、

しっかりとできていない事に対して言い訳ができない環境だ。

つまり、強制的にやらざるを得ない状況。

 

更には、リーダーシップの教育を受け、同期と切磋琢磨していく中で、

そんな日常的にやるべき事項も、

「毎日やるのが当たり前」

「人前に出るときは、しっかりとした服装じゃないと人前に立てない。」

という気持ちになる。

はじめは、嫌々ながらやっていたのに、いつの間にか習慣化

されているのだ。

しかも、この習慣からは逃れられなくなっている!(^O^)

 

 

僕も、現役時代は当然継続してやってきたが、陸上自衛隊を退職した今でも、

毎日アイロンを掛けたり、布団をきれいに畳んだりと、

幹部候補生学校でやってきたことの「習慣化」は維持されているのだ。

 

「習慣化」って、自分の運命を変えてしまうほど影響力が

あるんですよね。

納得です。

 

リーダーシップを高めることができる

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陸上自衛隊HPより引用)

幹部候補生学校の一番の魅力は、リーダーシップの教育を徹底的

やってくれること。

あらゆる機会を利用してリーダーシップを高める訓練をする。

 

2人以上で行動するときは、誰か1人が指揮を執り、「号令」をかけて行動する。

学校内で移動する際、例えば、食堂や浴場、教場に行く際にも、必ずやる。

このような、毎日のちょっとした時間も無駄にすることなく

徹底的に幹部自衛官として「指揮を執る」訓練をする。

 

この他、戦闘戦技訓練では、「班長」「小隊長」等の役職が与えられ、

その他の同期が部下役として、実際に「指揮を執る」訓練をしたり、

当直勤務を通じて区隊を指揮する訓練をしたり、戦史を学ぶことにより、

過去の戦場でのリーダーシップを先人から学んだりして、

リーダーシップの基礎を叩き込む。

そして、卒業後に部隊で実際に30名程度の部下をもって、

幹部候補生学校で学んだことを実践するのだ。

 

階級が上がるに連れて、部下の数も増えてくる。

リーダーシップは、幹部自衛官にとっては、定年まで学び、

研究し続けるもので、その基礎を徹底的に学ぶことができるのが、

幹部候補生学校だ。

 

体力や肉体の向上

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先回の記事でも記載したが、幹部候補生を含め、初級幹部時代は、体力勝負

幹部候補生学校では、体育の時間があり、持続走はもちろん、

水泳やマット運動までやる。

 

そして、幹部候補生学校の伝統である、高良山登山走、藤山武装走、

定期的な体力検定。

戦闘戦技訓練や総合訓練等を含めて、体力的な訓練のウェイトが大きい。

自衛官なので当然なのだが。)

その他、銃剣道や格闘訓練のような自衛隊ならではの課目もある。

 

このような訓練を通じて、卒業後には、持久力、泳力、筋力等、

体力面をかなり向上させることができる。

 

僕も、大学時代は痩せてひょろかったが、体重・筋肉が増え、

約1年間で見違えるほどの体に変化したことを覚えている。

体に筋肉が付き、体が大きくなると、それは「自信」に繋がる。

その自信によって、きつい訓練や仕事を更に頑張ることができるようになるのだ。

 

 

2 教官や同期との一生の絆ができること

 

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約1年間、同期と、一緒に寝て、ご飯を食べて、風呂に入って、訓練をして、

飲みに行って・・・

同期とは、楽しみも、苦しみも一緒に経験し、すべてを曝け出せる、

家族のような仲間

そして、候補生が部隊で恥をかかないように、全力で教育をしてくれる教官たち。

 

今、思い出しても、あのときの教官や同期との経験は、一生の思い出。

卒業後も、連絡を取り合ったり、結婚式に参加したり、勤務地が近くなったら

飲みに行ったりと、あの時の思い出や現在や将来のことをいつでも語れる仲。

困ったときには、相談に乗ったり、相談に乗ってもらったりできる仲。

 

数年前に、幹部候補生学校の同期と都内でBBQをした。

みんな結婚をして子供もいて、約10年前の思い出の浸りながら、

同期とその家族の成長を見ると

「あー、あいつも父親、母親になって立派になったんだな〜」と、

自分のことのように嬉しく感じることのできる仲。

 

「同期」ってすごくいいですよ!

 

僕が南スーダンに派遣されているときも、区隊メンバーが写真と寄せ書きの

メッセージを送ってくれた。

手書きのメッセージで書かれていて、筆跡で誰が書いたかのかもわかる程の仲。

手紙を受け取ったときは、本当に感動した。

そして、それぞれの熱いメッセージにとても励まされ、劣悪な環境での

勤務の活力となった。

 

「同期」って本当にいいものですよ!

 

ここまでの熱い関係は、本当の苦労を共にし、

乗り越えてきた結果得られた宝物

民間企業や他の公務員では、中々ここまでの関係は作れないんじゃないかな〜

と思います。(個人的な考えですが。)

 

3 幹部の教育は、ありえないくらい充実

 

陸上自衛隊の幹部には、かなりの国費を投じて教育の機会

設けられている。

 

幹部自衛官には、将来進む道が無数にある。

自分の進む道によって、教育の種類や数が当然に変わってくる。

 

なので、僕が現役時代に受けてきた教育を参考にすると、

 

  • 幹部候補生学校:11ヶ月
  • 幹部初級課程:9ヶ月
  • 幹部上級課程:6ヶ月
  • 普通英語過程:5ヶ月
  • 空挺基本降下課程:約1ヶ月
  • 空挺降下長課程:約1ヶ月
  • 幹部国際活動課程:約1ヶ月
  • 国語学学校:約2ヶ月
  • 米国上級幹部課程:約6ヶ月
  • マレーシアPKOセンター:約1ヶ月
  • 幹部学校指揮幕僚課程:2年

 

なんと、合計5年半も教育を受けてきた。

 

これを聞いて、びっくりした人は多いはず。

13年間の自衛隊歴のうち5年半は、教育期間。

もちろん、給料をもらいながら!

 

一人の幹部自衛官を育成するために、

如何に多くの時間とお金がかけられているかがよく分かると思います。

 

これは僕の例であり、もちろん、これより教育期間が長い人、短い人はいます。

選択した職種によっても、教育の数は異なってくるでしょう。

 

上記の他に、筑波大学、法政大学等の国内の大学や大学院で勉強したり、

防衛大学校の研究科等への進学も可能です。

また、1佐や2佐クラスになれば、優秀な人は、

米国や欧州等の陸軍大学校等で教育を受けるチャンスもあります。

 

民間企業では、自分でお金を払って教育を受けなければならないのですが・・・

こんなに教育が充実している組織は他にはないと思います。

 

幹部自衛官って本当に恵まれた環境だと思いませんか?

 

4 責任ある仕事ができること

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陸上自衛隊HPより引用)

 

幹部候補生学校を卒業後、部下の数に多寡はあるが、

幹部自衛官は基本的に部下を持って仕事をすることになる。

 

初級幹部時代は、基本的に「小隊長」として勤務する。

職種によって異なるが、30名程度の部下を持つことになり、

小隊の指揮、訓練練度管理、身上把握等、その小隊に関して責任を負う。

 

初級幹部時代は、全力で職務に当たることはもちろん、

とにかく部下や同僚としっかりコミュニケーションを取ることが重要。

これも、仕事のうち。

飲みに行ったり、旅行に行ったり、駐屯地の行事に参加したり・・・

仕事だけでなく、仕事以外でのコミュニケーションもしっかりと取ることで

信頼関係はより深まってくるもの。

そして、仕事がやりやすくなる。

 

僕も初級幹部時代は、先輩や同じ小隊の部下と毎週のように飲みに行っていた。

仕事のときには、なかなか本音は聞けないが、

飲み会の時に本音を話してくれる人が多いのだ。

このように、あらゆる機会を通じて部下のことを掌握するのがリーダーの役目。

 

課業外の付き合いが面倒だと思う人もいると思うが、

初めのうちは社会勉強だと思って付き合ってみましょう!

そうすれば、部下との信頼関係がどのように作られていくのか

を学ぶことができるはず。

 

階級が上がれば、仕事の幅が広がり、責任も重くなる。

中隊の「運用訓練幹部」になれば、中隊の訓練計画を作成したり、

それを実行に移したり、部隊の中心となって勤務します。

自分が作成した訓練計画で、部隊が実際に訓練して、

隊員個人や部隊が徐々に成長して行く姿を見るのは、

本当にやり甲斐がある。

 

階級が上がるに連れて、仕事の量も増え、夜遅くまで帰れない日が多々ある

のは事実だが、それ以上のやり甲斐と、

それを達成したときの自分自身の成長を実感できるはずです。

 

5 世界で働くチャンスがあること

 

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陸上自衛隊HPより引用)

 

幹部自衛官英語ができれば、海外で働くことができる。

陸曹でも英語を使う仕事はあるが、幹部ほどは多くはない。

 

海外で勤務できる幹部の職務は、

  • 国連代表部
  • 各国駐在武官
  • 警備対策官
  • PKO
  • NATO
  • 各国への留学
  • 米国大学(院)への留学
  • 他国陸軍との共同訓練 などがある。

 

先回の記事でもお伝えしたが、幹部自衛官にとって英語は必須

日米共同訓練やコブラゴールド等の各国との共同訓練は、

すべて英語でコミュニケーションをとるため、

英語ができなければ仕事にならない。

 

英語ができることで、上記で示したような勤務できるチャンスが広がるのだ。

 

僕は米国陸軍に留学をさせてもらい、実際に米陸軍の教育を受ける機会を

得ることができた。本当に最高の経験だった。

世界最強の軍隊でリーダーシップや職種の専門的なことを勉強できたとともに、

米軍のあらゆるもののスケールの大きさに度肝を抜かれた。

福利厚生も自衛隊とは桁外れ、戦術などの考え方も全然異なるもの。

教育内容もより実戦的で効率的だった。

自衛隊を外から客観的に見る良い機会だった。

 

留学の他、僕は、南スーダンのPKOにも参加し、ミッションの司令部で

勤務をすることもできた。

当時は、合計56カ国から約1万2800人の軍人がミッションに参加し、

11カ国から30コの部隊が展開をしていた。

文化も喋る英語も異なる・・・正直、大変なことばかりだったけど、

日の丸を背負って、本当に貴重な経験をさせて頂いた。

(これらの経験については、後日また記事を書きたいと思っている。)

 

僕が、幹部候補生学校に入校した当時は、正直、このような経験をできるとは

思っていなかった。

このような貴重な経験ができたのは、すべて指導していただいた

上司や励まし・協力してくれた同期や部下のお陰。

 

僕は、たまたま運がよく、上記のような経験をすることができたが、

もし、あなたが陸上自衛隊で本当にやりたいことがある場合、

まずはやりたいことを実現するために

どのような道に進めばいいのかを確認したほうがいい。

そうでなければ、気がついたときには全然違う方向へ進んでしまっている

という場合もある。

 

また、幹部候補生学校での成績が悪ければ、自分のやりたいことから

遠ざかってしまう可能性がある。

だから、幹部候補生学校ではできるだけ良い成績で卒業できるように

全力を尽くすべきだ

そして、将来の方向性を定めるため、色々な人の話を聞いて、

どうすれば自分の進みたい道に進めるのかの道筋を見定めてほしい。

 

そうすれば、きっと陸上自衛隊でやりたいことが実現できるはずです。

 

以上が、僕が陸上自衛隊を経験して陸上自衛隊の幹部(候補生)になることが、

魅力的だなと思うこと6つです。

 

 

もし、陸上自衛隊の幹部として仕事をしていこうか迷っている人は、

幹部候補生学校での教育を受ける」

という選択をしてみてはいかがでしょうか?

試験に合格して、幹部候補生学校での教育を修了をするだけでも

今後の人生に大きなプラスになること間違いなしです。

 

 

↓ は関連記事です。一度目を通しておくだけで、かなりのメリットがあるはずです。

 

future-oriented.hatenablog.com

 

 

future-oriented.hatenablog.com

 

 

 

最後まで読んでくれてありがとうございます。

今日も皆様にとって良い一日となりますように。

 

元・国防男子 「大吉」