【初心者必見!】元・陸自隊員が詳しく語る 初心者のための平成30年富士総合火力演習(陸自最大の実弾演習)
(陸上自衛隊HPより引用)
おはようございます。
元・国防男子の大吉です。
毎年恒例の陸上自衛隊富士総合火力演習の時期がやってきました!
陸上自衛隊最大の実弾演習
今年の一般公開は、8月26日(日)1000〜1200。
陸上自衛官で入校中の学生は、一般公開前日の土曜日に「夜間の部」を含めて研修できます。
(陸上自衛隊HPより引用)
これから陸上自衛隊に入隊しようと思う人や陸上自衛隊に入隊したばかりの隊員は、是非この演習を見たほうがいいでしょう。
チケットが入手できなかった人は、陸上自衛隊のHP上にも動画が公開されています。
前段訓練の主要装備品の紹介は、陸上自衛隊でどのような装備品が使用されていて、どのような場面で使用するのかもアナウンスで紹介されているので、とても勉強になると思います。
富士総合火力演習とは
◯ 毎年8月下旬の日曜日に静岡県御殿場市の東富士演習場で開催される陸上自衛隊最大の実弾演習。
◯ 一般公開前日の土曜日は、主に自衛隊員を対象に行われ、陸上自衛隊の各種学校に入校中の学生たちが見学に行く。
◯ チケットは応募制となっており、倍率は約30倍、駐車場付きチケットだと約200倍らしい・・・チケットの入手はかなり難しい。
◯ 諸外国もこの実弾演習には注目。
・ 陸上自衛隊がどのような装備品を保有し、どれくらいの練度なのかがわかる。
・ 北朝鮮の軍事パレードを日本を含めた周辺諸国が注目しているのと同じ。
◯ 演習を通じて情報を発信する側としては、日本国民への広報だけでなく周辺諸国の本国侵攻への抑止力の効果があるため、防衛省として最も力を入れている演習。
そのため、隊員たちは2ヶ月も前からこの演習準備に集中する。
◯ 後段演習では、「島嶼(とうしょ)部に対する攻撃への対応」のシナリオとなっており、現在の日本にとって脅威が高い分野への対処要領を紹介。
平成30年の富士総合火力演習の概要
(陸上自衛隊HPより引用)
1 日 時
平成30年8月26日(日)1000〜1200(2時間)
2 場 所
3 当日の天気予報(8月25日(土)0730現在)
(御殿場市の10日間天気(6時間ごと) - 日本気象協会 tenki.jp)
※ 御殿場地区は天気が非常に変わりやすいため、念のため雨具の用意はしておいたほうが良い。
4 演習プログラムの内容(平成29年)
(1)前段演習
・ 主要装備品の紹介
火砲、戦車、対空火力、対人狙撃、水陸両用車、ヘリ火力など
・ 空挺降下
自由降下、自動策降下
(2)後段演習
島嶼部に対する攻撃への対応シナリオ
5 アクセス
(1)私有車を利用する場合
◯ 「駐車場利用券」を持っている人
・ 指定された無料の駐車場に駐車する。
・ 指定された駐車場から畑岡地区までは、陸上自衛隊が準備したシャトルバス(7時より運行)を利用可能
◯ 「駐車場利用券」を持っていない人
・ 御殿場駅周辺の駐車場に駐車し、富士急行バスの臨時シャトルバス(6時より運行、片道大人570円、往復大人1100円)かタクシー(片道3,000円程度)を利用
・ 御殿場駅周辺の駐車場
◯ 注意事項
・ 日曜日は御殿場プレミアム・アウトレットへの客もいるため、御殿場IC付近は8時頃から激混み。
・ 東名高速道路の裾野ICで降りて指定された駐車場に向かったほうがスムーズ
(2)電車を利用する場合
◯ 御殿場駅から富士急行バスの臨時シャトルバス(6時より運行、片道大人570円、往復大人1100円)かタクシー(片道3,000円程度)を利用
※ 乗車時刻が遅くなると1時間くらい待つことになるので、到着は早いに越したことはない。
(4)その他
◯ 一般公開は1000からだが、朝の5時くらいに到着している人も多数いる。(恐らく、前日から並んでいる人たちも。)
少しでも良い席を確保するためには、早朝に到着した方が良い。
◯ シート席の前列は間近で砲撃の威力を味わうことができ、
スタンド席は全体を見渡せるというメリットがある。
(https://s.webry.info/sp/junichi-nagashima.at.webry.info/200708/article_8.html)
6 当日持っていったほうがいいもの
◯ 雨対策:雨具(レインコート、傘)
◯ 暑さ対策:帽子、飲み物、タオル、日焼け止め
◯ 座るとき対策:座布団、バスタオル、ビニール袋(シート席は土足なので汚れます!)
◯ 見るとき対策:双眼鏡、カメラ
7 その他
チケットを入手できなかった人のために、当日のライブ配信あり。
平成29年富士総合火力演習の内容
前段演習
(陸上自衛隊HPより引用)
後段演習
(陸上自衛隊HPより引用)
見どころピックアップ
前段演習(主要装備品の紹介)
▽ 10式戦車
(陸上自衛隊HPより引用)
世界の戦車の中でもNo.1の性能を誇る第4世代の戦車。
74式戦車や90式戦車に比べて小型・軽量化され、動きがものすごくスムーズ。
注目してもらいたいのは、10式戦車のスラローム射撃。
移動しながらの正確な射撃ができるのはこの戦車くらい。
▽ 水陸両用車(AAV)
(陸上自衛隊HPより引用)
近年導入された水陸両用車。
車両後部には20名の人員が乗車でき、上陸後速やかに展開できる。
演習場での紹介となるので、水中から上陸するまでの実演が見れないのが残念だが、スクリーン上で映像を見れるので海上から上陸シーンに注目してもらいたい。
▽ 16式機動戦闘車(16MCV)
(陸上自衛隊HPより引用)
戦車と違い装輪車両のため、道路上を自力走行ができ、航空自衛隊のC-2輸送機での空輸も可能。よって、離島防衛などへの対処の際には、速やかに南方地域へ機動することが可能だ。
注目ポイントは、74式戦車と同等の火力を持ち、100km/hの速度で機動できること。戦車との動きの違いを確認してほしい。
▽ 戦闘ヘリ(AH−64D:アパッチ)
(陸上自衛隊HPより引用)
最強の戦闘ヘリ。
レーダーなどにより、地上の200を超える目標の探知が可能。
また、データリンクシステムを搭載し、戦術情報を共有することができる優れもの。空対空ミサイル「スティンガー」、70mmロケット弾、ヘルファイヤミサイル、30mm機関砲の重装備。当日は、30mm機関砲の射撃を見ることができ、ヘリからの射撃シーンは迫力がある。
▽ 火砲(155mm榴弾砲(FH70))
(陸上自衛隊HPより引用)
もちろん、自走式榴弾砲のほうが射撃や移動がスムーズなのだが、
注目してもらいたいのは、隊員たちの射撃までのスムーズな動作。
隊員たちの一挙手一投足を見ていると全く無駄な動きがなく感動する。
▽ 空挺降下(自由降下)
(陸上自衛隊HPより引用)
オーロラビジョンのモニターに航空機内の映像が映し出され、空挺隊員たちのヘリ機内での様子や飛び出し動作が確認できる。
隊員たちが上空1,200mの航空機から飛び出していく瞬間は、めちゃくちゃかっこいい!
そして、パラシュートが開傘するまでの隊員が約200km/hで落下していく姿も見どころです。
双眼鏡をお忘れなく!
後段演習
▽ 航空火力による対地攻撃
(出典:https://blog.goo.ne.jp/4ldk_gucci/e/7cf17d9adb5885faa69630c6d64f82a1)
天候が良ければ、今年もF-2戦闘機が飛来する予定。
(出典:http://photozou.jp/photo/show/234848/47817625)
安全上の理由により実弾でのミサイル射撃(JDAM)は実施されないが、航空火力の破壊力は半端ない。火薬量を半分に減らした模擬爆弾でも写真のような大迫力です。
陸上自衛隊にとって、航空自衛隊の航空火力はかなり心強い存在!
▽ 先遣小隊の降下(リペリング)
(陸上自衛隊HPより引用)
ロープ1本で隊員たちが連続でスムーズに降下する姿はカッコいい!
経験者から見ると、かなり訓練されている。
ヘリからの降下は揺れるし難しいんですよね。
▽ 障害処理
(陸上自衛隊HPより引用)
92式地雷原処理車により、攻撃突撃のための通過口を一気に啓開する。
ロケット弾には、導爆策と呼ばれる爆薬を数珠つなぎにしたものが収納されており、その爆薬により敵の地雷原の地雷を誘爆させる。
当日は爆薬を1/4まで減らしているが、ミサイル発射と爆発シーンは大迫力。
▽ 戦果拡張
(陸上自衛隊HPより引用)
シナリオのフィナーレを飾る戦果拡張シーン。
弾幕(写真に写っている白い煙のこと)を使用して、戦車やヘリなどが一斉に前進する姿は見ごたえがあります。
最後に
陸上自衛隊最大の実弾演習です!
日本国内だけでなく諸外国からも注目されているので、かなりの費用と訓練時間をかけています。
戦車の射撃や水陸両用車、機動戦闘車等、見どころは沢山あります。
しかし、忘れないでほしいのが、下の写真のように当日の演習には参加しないけれど、イベントの裏側で頑張ってくれている隊員たちのこと。
観客の方々が座りやすいように整地をしたり、
整地後にビニールシートを敷いたり、
専門的なことをわかりやすく伝えるために、何度も文章を推敲し、アナウンスの練習をしたり・・・
(陸上自衛隊HPより引用)
チケットを入手できた方は、演習だけでなく、裏方の隊員たちが作り上げた会場や誘導係等をしている隊員たちの観客の方々への「思い」を感じながら楽しんでいただければと思います。(^o^)
************************
最後まで読んでいただきありがとうございます。
今日も皆様にとって良い一日となりますように!
元・国防男子 大吉